名作となるには色々と足りない! なアニメ「甘城ブリリアントパーク」 レビュー!

      2016/11/22

甘城ブリリアントパーク 第1巻 限定版 [Blu-ray]

放送時期  2014年10月~12月
 原作  賀東招二
 公式HP  http://www.tbs.co.jp/anime/amaburi/

あらすじ
主人公、可児江西也は、転校してきた謎の美少女、千斗いすずから、いきなりマスケット銃を突きつけられ、デートの誘いを承諾させられた。
いすずに連れられやってきた場所、そこはダメ遊園地として悪名高い甘城ブリリアントパークだった。
パーク内の噂通りの酷さに憤った西也は帰ろうとするが、いすずに引き合わされた甘ブリの支配人、ラティファ・フルーランザより、パークの閉園の危機を救うため支配人代行を託されてしまう。
しかし、そこはただの遊園地ではなく…

 

評価点数:75点 ★★★☆☆(佳作)

 

※ネタバレは含みません

 

京アニらしい、安定感のあるギャグアニメ

原作がコメディ系ライトノベルで、それのアニメ化、となれば京都アニメーションの十八番である。

第一話からそのことはハッキリと伝わってくる出来だ。

「ラノベアニメ」の冒頭とはこうあるべきだと言わんばかりの急展開。
視聴者が違和感を持って冷めてしまう前に、どんどん展開させて見せ場を作り、目を離せなくする。
違和感を持たせつつも、強引に視聴者を世界に引き込ませる導入の上手さは流石である。

ギャグシーンに入っていくと更に京アニの実力の高さが現れる。
テンポの良い会話に、そのテンポの良さにしっかりと付いて来れている作画陣。
描かれるキャラの動きがしっかりとしているから、主人公がマスコットキャラクターに殴られるシーンだけで十分破壊力のあるギャグになっている。

さらに「ラノベアニメ」においてかなり重要視されるヒロインの可愛さもしっかりと合格点を出している。
恥じらうシーン、微笑むシーン、涙するシーン。
ヒロインたちの一挙手一投足を可愛らしく、魅力的に描写する術をしっかりとものにしている。

こうして見ると、一見完璧なギャグアニメだが…

 

キャラの濃さがあと少しだけ足りない!

ギャグアニメの肝である、キャラクターの濃さ。

これが、このアニメはほんの少しだけ物足りなさを感じる。

特に如実に感じるのが、エレメンタリオの妖精たちと、モッフル・マカロン・ティラミーの3人(匹?)のマスコットキャラクターである。

エレメンタリオの妖精たちは、それぞれキャラを立たせようと思えば立つ要素はいくつかあったのだが、結局ちょっと目立つモブ程度になってしまっているのが残念であった。
キャラソン要因としてしか出すつもりがなかったのなら別にそれでも良いが、せっかく露出を増やすのならばもう少しギャグ展開に絡ませてあげるべきだったろう。

そして、最も惜しく感じたのがマスコットキャラクターの3人だ。
この3人、見た目は可愛らしいきぐるみなのだが、中身は仕事終わりの居酒屋でのビールを楽しみにしているおっさんである。

一人一人、個性を掘り下げれば一話は作れそうな濃さを持っている。
パクリと言われれば容赦なく殴りにくる元特殊部隊隊員。
女好きで下品な下ネタ大好きなゲス親父。
元ヤンキーで、基本的にはやる気のないダメ中年。

こんな個性的なキャラなのだから掘り下げてギャグパートを作れば、もっとこのアニメは魅力的になったはずだ。

自分は原作は未読なのだが、Wikipediaなどを見てみると原作での彼らの濃すぎるキャラ付けに驚愕してしまった。
正直、エレメンタリオの妖精たちのようなギャグ要員としてもヒロインとしても半端な存在の描写に時間をかけるのでならば彼らの描写にもう少し時間を割いてやるべきだったろう。

さらにこうしたギャグアニメとしての完成度を高めるためだけではなく、作品自体の魅力を上げるためにも、主人公の過去や現在の心情も掘り下げの必要性を感じられた。
決して今作品の主人公、魅力がないというわけではないのだが、もっと掘り下げができていれば「ラノベアニメ」史に残る魅力的な主人公となれたのでは思ってしまった。

 

ラブコメ要素が足りない!

最も今作品で個人的に惜しいと思ってしまったのが、ラブコメ要素をほとんど描いていなかったことである。
せっかく魅力的なヒロインがいながら、恋愛関係について掘り下げることはほとんどなかったのだ。

この作品、しっかり描写すれば1クールは使えそうなラブコメ要素は存在している。
甘城ブリリアントパークの支配人であり、魔法の国のお姫様であるラティファ。
その近衛隊に所属する一衛士である、いすず。
この二人と主人公の関係はもっと描写すべきだったろう。

主人公は、幼いころにラティファと出会っており、その時の出来事がきっかけとなり、テーマパークの支配人代理を引き受ける。
そんな主人公の目的はラティファを心から笑わせてやること。
これはもう完全に主人公とメインヒロインの関係である。

しかし、そんなラティファの従者であるいすずも主人公に好意をよせてしまう。
いすずと主人公のコンビもこれまた非常に様となっており正統派ツンデレヒロインと有能イケメン主人公という様式美から発生する魅力は非常に大きい。

ここでいすずの、従者として主の幸せを第一にし自分の思いを諦めるかどうかの葛藤や、女性としてお姫様であるラティファの魅力に勝てないコンプレックスなどを描いていたならば、この作品は一気に名作になり得ただろう。

これだけの熱い要素が揃っておきながら、描写できていなかったのは非常に残念だった。

 

終わり方が物足りない!

今作品、13話構成となっているが、実質的な最終話は12話である。
そこで今まで掲げていた目標、ピンチなどがすべて解決する。

多少この解決の仕方、特に、ラティファ関連についてはご都合主義感はあるものの、元々奇想天外な脚本を期待するものではないし、まぁ合格点といえる出来である。

好意を持って受け入れる締め方だった…
と書ける出来ではあった。

しかし、問題なのが話数的な最終話の13話である。
内容は別に6話くらいにぶち込めばいい完全な一話完結型のエピソードである。
しかも内容は微妙…

あのきれいに完結させた12話のあとにこれはどうなのよと少し言いたくなってしまった。
ギャグアニメだと完結させたあとにお祭りエピソードを入れることは多々あるが、この話は完成度の微妙さもあって、正直蛇足感が半端ではなかった。

BD特典にするつもりだったものを無理やりねじ込んでしまったのかと思ったが、きっちりBD特典として14話は用意されてるし…
「変なことするなぁ京アニ」といった感想を抱いてしまった最終話でした。

 

色々と足りない! が「ラノベアニメ」としてはさすがの完成度

こうしてレビューしていると欠点が多量に浮かび上がり、駄作のような印象を与えてしまうが、やはりそこは天下の京アニだけあって、「ラノベアニメ」としては満足できる出来にはなっている。

テンポよく進むギャグ、かわいいヒロインたち、個性豊かなキャラ、アニメとしての合格点はキッチリ叩き出してくれている。

ただ、やはり京アニが作ってくれている、しかも原作が『フルメタル・パニック!』の賀東招二ならば、「ラノベアニメ」というカテゴリを超えた名作を期待していたのも事実であった。

良質な「ラノベアニメ」を期待して見るのならば十分良作なので、軽~い気持ちで見るのをおすすめします。

 


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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