カード販促アニメなのに全く販促しない!? 「selector infected WIXOSS」 レビュー

      2016/12/22

「selector infected WIXOSS」BD-BOX<初回仕様版> [Blu-ray]

 

発表時期 2014年4月~6月
原作 LRIG(ワーナー エンターテイメント ジャパン、タカラトミー、J.C.STAFFの3社の共同筆名。)
公式サイト 今作品のみのは無し(https://twitter.com/wixoss_anime アニメ公式Twitterアカウント)

あらすじ
巷で中高生を中心に大人気のカードゲーム「WIXOSS(ウィクロス)」
なかなか友達ができなかった中学生、小湊るう子は、兄からプレゼントとしてWIXOSSのスターターデッキをもらう。
すると、そのカードの中のキャラクターが動き出し、喋り始めた。
後日、同じように喋るカードを持つ同期生の紅林遊月から、自分たちは「セレクター」として選ばれたと知らされる。
セレクターたちは、誰もがそれぞれの「願い」を抱いて、カードバトルを繰り広げている。
なぜなら、セレクター同士のバトルに勝ち続ければ、自分の「願い」が叶うと言われているからだ。

希望、願望、欲望。それぞれの想いを胸に、少女たちは危険なゲームの渦に飲み込まれていく──

 

評価点数:73点 ★★★☆☆ (佳作)

 

※ネタバレは含みません

 

あくまで主軸は「人間ドラマ」なカードアニメ

このアニメ、タカラトミー発売のトレーディングカードゲーム『WIXOSS』の商品展開と同時に制作され、販促アニメとしての一面を持っている。

 

が、このアニメはその販促アニメとしての面をガン無視している。

バトルではカードゲームのルールは説明されないし、バトル描写も何となくどちらが有利か分かるくらいだ。

では普通ならルール説明やバトル描写に割く時間に何をしているのかと言われれば、このアニメは徹底的に登場人物たちの人間ドラマに焦点の当てている。

 

主人公たちは「セレクター」と呼ばれ、他の「WIXOSS」のプレーヤーたちとは違い、選ばれた存在である。
彼女たちの目標は世界大会に優勝したりすることではない。
バトルに勝利しつづけ、「無限少女」となって自分の願いを叶えるために戦うのだ。。

これだけならばまだファンシーなカードアニメとして描けそうなものだが、このアニメは全くの逆ベクトルに進んでいく。

物語が進んでいくと、話を暗く、重くしていく設定が追加されていくのだ。

例えば、3回負けると願いが「マイナス」の形となって現れるという設定だ。
ピアノを上手くなりたいという願いを持つ子が負ければピアノを弾けなくなる、といったふうに、バトルする事自体に大きなリスクが生じる。

一方で、主人公の願いはというと、「何もない」。
ただ主人公はセレクター同士でバトルすることを「楽しい」と思ってしまう。
普通のカードアニメならば主人公の性格としては普通だが、このアニメではそれが異質になってしまう。

負かした相手が不幸になるということが頭ではわかっていても、バトルを楽しんでしまうのだ。
本人は理性でバトルをしないようにするのだが、周りの状況や自分の本能がそれを許してくれない。
結局バトルをしてしまう流れになってしまい、他者を不幸にして、自己嫌悪してしまう。

 

こうした主人公の葛藤、リスクを覚悟しても戦おうとする友達、バトルによって不幸になっていく周りの人達。

これらの俗に言う「ドロドロ展開」に持っていくのが非常に上手い。
ドロドロ展開を書くのが十八番な岡田麿里がシリーズ構成とメイン脚本を務めているだけある。

更に新たな設定の出すタイミングや、展開も上手く、各話の終わりの引きがとても強い。
安易に見始めると視聴が止まらなくなり、翌日に大きな影響を与えることになってしまうだろう。

 

いくらなんでもカードバトル描写を省きすぎ

このアニメが見せたいのは少女たちのドラマだというのは分かる。
だからカードバトルのルール説明や、その内容まで深く掘り下げると、尺がなくなってしまうという制作側の事情も分かる。

 

だが、いくらなんでもバトル描写を省略しすぎだ。

登場人物の焦りや高揚感といったものが全く伝わってこない。
何とか展開の上手さで作品自体には魅力を持たせているが、バトルシーンにエンターテイメント性がないため、盛り上がりが生まれないのだ。

更に、キャラに感情移入しづらいという欠点も生まれてしまう。
主人公の「バトルは楽しい」という気持ちは多くの人は共感できるはずだ。
誰もが小さかった頃、一度はカードゲームや対戦ゲームで同じような快感を覚えているはずである。

だからバトルの内容をもう少し具体的に、楽しそうに描ければ、感じてはいけない「楽しさ」を感じてしまう主人公の葛藤にも共感でき、物語にもっと引き込めたはずだ。

 

『遊☆戯☆王』のような無茶苦茶な展開でも良いから、盛り上がるバトル展開と、軽いルール説明さえあれば、この作品の魅力はグンッと上がっただろう。

 

THE・分割2クールな終わり方

このアニメ、放映が終わった後、1クール期間を空けて「selector spread WIXOSS」という名前で2クール目が開始されている。こういった分割2クールアニメではありがちなのだが、やはり今作品も凄まじく途中で終わってしまう。

ほとんど物語中で提示された問題は解決されてないといっていい。
今から見る人は一気に2期も見れてしまうので関係ないだろうが、当時の視聴者は相当モヤモヤしただろうなと考えてしまう終わり方だった。
そんな状態で終わらせるのはどーなのよという気持ちも若干ある。

まぁ分割2クールするのは最初から告知されていたみたいなので、ここをあまり気にしても仕方ないとは思うが。

本当はレビューも2クールまとめてやりたかったのだが、一応、作品名が異なるので別々のレビューにした。
(2クール目のレビューはこちら

dアニメストアなどの見放題系のサイトで見たり、TSUTAYAなどでレンタルする時は2クール目もあるかどうかをしっかり確認することをオススメする。

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ビッテンk

ビッテンk

熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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