良くも悪くも岡田麿里らしさが詰まった作品 「selector spread WIXOSS」 レビュー

      2016/12/19

「selector spread WIXOSS」 BD-BOX<初回仕様版> [Blu-ray]

 発表時期  2014年10月~12月
 原作  LRIG
 公式サイト  今作品のみのは無し(https://twitter.com/wixoss_anime アニメ公式Twitterアカウント)

 

あらすじ
不本意で自身のルリグとなった伊緒奈である「イオナ」を持つことになったるう子は、なるべく戦わないようにしつつも別れたタマと会いたいという気持ちからイオナのカードを常に携帯し、いざという時のセレクターバトルに備えていた。
遊月や一衣たちと共にセレクターバトルについて調べていくうちに、セレクターバトルについて知っていると思わしき小説家、「ふたせ文緒」と出会う。
彼女から新たな情報を得ようとするが、情報の代わりにバトルを要求されるるう子たち。
るう子の下した決断は…

評価点数:68点(視聴可能) ★★☆☆☆

 

前期(selector infected WIXOSS)のネタバレあります。

ネタバレなしの前期のレビューはこちら

 

前作の宿敵が仲間に、という熱い展開

前期のラストでたまの代わりに主人公るう子のルリグとなったイオナ。

このアニメの序盤はとにかくバトルを避けるるう子と、それによって凄く可愛そうな扱いを受けるイオナという構図が続く。

それはもう見てるこっちが哀れみを感じてしまうほどにかわいそうな扱いだ。

るう子はバトルをしないから、ルリグになってまで叶えた願いは全く成就されない。
もちろん遊月や一衣からも避けられてる(というよりも厄介もの扱い)である。
いざバトルが始まってみれば、「タマとじゃないとバトルが楽しくない」とるう子に言われ、全く本気を出して戦ってくれない。
遊月、一衣とるう子の友情の話が展開されている時も、イオナは完全に蚊帳の外である。

 

一期ではどのような事が起きようと殆ど感情を見せなかったイオナだったが、今期ではチラチラと感情が現れ始める。
絆を深めたるう子たち三人の光景を見て、若干嫉妬のような感情を見せたり、るう子にバトルを楽しく思わせられなかった自分のことが少し嫌になったり…

一期の人間味が感じられないキャラに比べ、人間らしさというのが見え、おまけにこの不遇な扱いである。
イオナさん可哀想、というのが序盤の主な感想だった。

 

この微妙な扱いをされているイオナさんをどうするか、それが本作品の自分の最大の関心だった。

前作のラスボスが主人公のカードになるというのは他の作品では見れない独創的な展開であり、かつ熱い展開である。
この主人公たちとの和解、協力までの流れを如何に魅力的に描かれるのか非常に楽しみにしていたのだが…

 

デレる展開が少し雑…

序盤の展開は本当に良かった。

るう子とバトルするために、という下心的な思いではなく、思わずるう子のことを思って出てしまった叱咤激励のことば。
それによって立ち直り、イオナのことを信頼し始めるるう子。
イオナも、相手がルリグであっても変わらないるう子の優しさに少しずつ心を開いていく。

だが、物語の終盤になるとこのイオナの「デレ」る過程が雑になってしまう。
あまりにも明るくるう子たちと協力しようとするその様子を見ていると、別のキャラと入れ替わってしまったのではと感じる程だった。

序盤のイオナのデレの描写が納得できるように、丁寧に描かれていたのに対して終盤は残念な出来になっているのが今作品で一番惜しいところであった。

 

終盤の超展開でポカーン

多くの少女を不幸にしてきたセレクターバトル。
それを終わらせ、ルリグやセレクターたちを不幸の連鎖から解放することがるう子の目的であり、今作品のゴールだ。

このゴールまでの過程が、あまりにも雑すぎる。

 

元々、セレクターバトルというシステムはかなりオカルトちっくなものなので、そのシステムの元凶に対しての描写はそこまでの違和感を感じなかった。

問題なのは最終話付近の超展開である。
正直に言って、それぞれのキャラの行動、特にルリグたちの行動が全く理解出来なかった。
精神的にも、物理的にも、である。

前述したイオナの急なデレ展開ではいまいち感情移入出来なかったし、最終話のタマやラスボスの行動は意味不明である。
何でバトルしたの?
何で囚われの状態からそんなあっさり脱出出来たの?
何でそれでウリスは消えたの?

こんな感じで疑問符が頭に浮かび続けていた。
これは自分の理解力の低さのせいなのかもしれないが、風呂敷を広げすぎてどうしようもなくなり、強引に畳んだとしか認識できなかった。

一応、良い話ふうにエピローグが流されるが、超展開に全くついていけず、混乱状態だったので全く感動出来ず…

中盤までは非常に面白かっただけに、締めるのに失敗してしまったのは非常に残念だ。

 

岡田麿里らしい作品

前期も含めた全体的な感想として、良くも悪くも「岡田麿里らしさ」が詰まった作品と言えるだろう。

エグい設定、あるいは独創的で面白いと言える設定で視聴者を引きつける。
その設定を活かして各キャラの心情をリアルに描き、ドロドロな人間ドラマを描く。
設定も少しずつ小出しにし、各話ごとに大きな見せ場を一つは作り、次話への凄まじく魅力的な引きも忘れずに置く。
中盤では圧倒的な面白さを持ち、視聴を止めることは出来ない。

だが、物語の終盤では広げすぎた風呂敷を畳めるのに必死になり、超展開をしてしまったり、今までの作り上げたキャラの魅力がなくなるような展開を作ってしまう。

あまり言い方は良くないが、尻切れトンボな作品が岡田麿里作品では非常に多い。

 

自分が見た彼女の作品は『花咲くいろは』『凪のあすから』『アクエリオンEVOL』『鉄血のオルフェンズ(一期)』『キズナイーバー』くらいだが(後2作品は当サイトでレビュー済み)これらの作品でも自分は今作品と同じような感想を抱いた。

序盤、中盤は非常に面白く、見始めると止まらないのだが、終盤になると魅力が少なくなる。
超展開になったり、キャラが微妙な行動をしてしまったり…
もちろん、アニメというのは一人で作るものではないので、全ての責任が彼女にあるわけではないのだが。

今作品もその例外に漏れない作品になってしまった。
中盤までは本当に面白い作品であったので、非常に残念である。

誰にでもオススメ、というほど出来が良いわけではないが(特に終盤)、岡田麿里作品が好きな方、ドロドロとした人間関係が好きな方にはオススメだ。

 

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ビッテンk

ビッテンk

熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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