アニメ「ステラのまほう」レビュー! 最大の罪は、最強の矛を自滅させたこと…

      2017/01/25

ステラのまほう 第4巻 [Blu-ray]

発表時期 2016年10月~2016年12月
 原作 くろば・り
 公式HP http://magicofstella.com/

高校生になった本田珠輝は、熱中できる何かを探していた。
多趣味でおっとりとした彼女は、今の自分にどこか「足らず」を感じていたのである。
部活紹介の中で彼女は、絵を描く趣味があることから、SNS部(死んだ魚の目日照不足シャトルラン部)の勧誘を受ける。
「ゲームをつくる」ということに憧れた彼女は、イラスト担当としてSNS部に入部するが、何と彼女は「オッサンの絵しか描けない」のだった……。

 

評価点数:47点 ★☆☆☆☆(駄作)

 

※ネタバレを含みません

 

あくまでもユルアニメという認識を持つべき

特徴的なキャラクターデザインが印象に残る本作。
まず何と言っても、

タマちゃんかわぃぃよぉぉぉぉぉっ!!(´ω`)

というのが個人的な第一感想ですw
主人公である本田珠輝は壮絶に魅力的なデザインで、多くの視聴者をキュン死させる破壊力を持っているかもしれない(イミフw)

 

さて、本作はこの主人公であるタマちゃんが、自分のゲームを作るというユメに向かって邁進するという、一応「青春アニメ」的なストーリーもあるのだが、しかし、

「あくまでもユルアニメ」

であるという前提を持ってみるべきだ。
ストーリー性を期待すると、大きなしっぺ返しを食らうことになる。

 

序盤はまだ良かったが…

「青春アニメ」としての期待感を抱かせるのは、序盤の出来がそこまで悪くないという点にもある。
別にぬきんでて面白いわけでもないが、普通に物語が成立している。

これは何と言っても、「困難を克服する主人公」の姿が作中にきちんと描破されているのがポイントだろう。
趣味の落書き程度にしか絵を描いたことのない主人公が、PCで絵を描くための苦闘、集団で作る「作品の絵」を描くための苦悶……。
主人公が挑む「壁」と、それを乗り越える「物語」が、この序盤にはきちんとある。

 

それが、中盤から一切描破されなくなる。

一応ライバル相当のキャラクターである「はーちゃん」が出てきたりして、アツい展開になりそうな期待を持たせるのだが、残念ながら全くアツくはない。
というより、ライバルが出てきても、主人公に「挫折」がもたらされないのでは無意味なのだ。
ライバルというのは壁である必要があり、そこでお互いに切磋琢磨することで、感情が動く。
憂悶煩悶の中で、お互いに成長して、最終的に「強敵(とも)」となるからこそのライバルなのである。

本作で描かれるライバルとの関係性は、「なれ合い」である。
一応、主人公が落ち込むそぶりを見せたりもするが、はっきり言って「ふててる」だけだ。
ふてくされたたまちゃんが可愛いという点はさておき、物語としての高揚感は一切ない。

何故こういう結果になるかというと、「谷が浅く、山が低い」からだろう。
たまちゃんがライバルとの間に感じた壁は、まったく存在しない。
そもそも本作がライバルを描く気がなかった(ただの萌え登場人物追加として描いた)ことが主原因だろう。

エピソードの起伏がないため、当然この新キャラクター「はーちゃん」に対する感情移入度は上がらない。
そんな状況ではーちゃんのエピソードが始まっても、全然盛り上がらない。
中盤から終盤にかけての失速感に、一役買ってしまっている。

 

サブキャラクターがつまらない

言いたい放題言わせてもらうと、キャラクターがつまらない。

特にあや先輩のキャラクターは出番が多く、コメディパートで重要なキーとなるはずの存在なのだが、「過去の痛い自作品で悶える」ぐらいしかネタがないため、はっきり言って結構キツい。
シナリオが出てこない~と悶えている頃にはまだしも(つまり序盤)、途中から上記のネタONLYになってかなり厳しいキャラになってしまう。
例えば幼なじみのゆみねのように、目の前の事象からあられもない妄想に発展するとか、そういう展開力があったらまだ違っただろうが……。

部長さんはそれほど悪いキャラクターではないと思うが、ギャグ要素に乏しい。
一応人間関係に悩む要素はあるものの、それほど深いエピソードにはならないため、ストーリー要因としての肉付けも薄い。
重要なイベントで帰ったりと、何だかキメるべきところでもむちゃくちゃだ。

そして藤川先輩はいてもいなくても変わりの無いキャラクターだと思うw
全く存在感がなかった……。

 

最大の問題は、設定の「ウリ」を潰している点

本作最大の罪は、あまりにも魅力的な設定を物語が全く活かしていない点だろう。

本作が他の凡々たる物語と一線を画しているのは、ただ一点、

「主人公がシブいオッサンの絵しか描けない」

という強烈な設定にこそある。
これは他のどんな作品にも見られない本作の矛だ。
この矛があるからこそ自分はこの作品を見たし、この矛を使いこなせさえすれば、本作がクールに冠たる良作たりえた可能性も、十分にあったと思う。

 

だが、物語にてこの設定は全く活きてこない。

確かに物語序盤において、たまちゃんが「シブいオジサマなら描けるのに…」と思い悩みながら絵を描いているシーンはある。(だからこそ序盤はそこそこ面白かったわけだが)
だが、それをエピソードにまで落とし込めていないのである。
さらりと触れられてはいるものの、特に何のエピソードもなく普通の絵(?)が描けるようになってしまい、見ている方からすれば拍子抜けもいいところだ。

 

そして同時に、この「弱点」をたまちゃんが克服してしまって良いのかという疑念も尽きない。

この「弱点」がなくなってしまっては、本作にウリというものが一切なくなる。
たまちゃんがこの弱点を克服するまでに、強烈なエピソードやキャラクターで本作の魅力を明示してしまっていればその限りではないのだが、それが出来ていないために、たまちゃんが普通の絵を描けるようになってしまってから、物語に「ツボ」のようなものがなくなってしまうのである。
恐らく、物語後半において本作から一気に魅力が失われたと感じたのは、この本作の誇る「主人公がオジサンの絵しか描けない」という特殊設定が失われたためだろう。

 

では、シブいオジサンだけのゲームを作れば良かったのかというと、「そう。オジサンだけのゲームを作れば良かったんだよ」と切実に思う。
これでイロモノサークルとしての存在感は増し、たまちゃんはオジサン絵師としての声望を高めていき……というサクセスストーリーになる。いや冗談抜きで。
安易に大衆に迎合して、長所を捨ててまでレッドオーシャンに飛び込んでしまったからこそ、本作もこのSNS部も、サクセスできないのではないだろうか。
たまちゃんがオジサン絵師としての声望を得て……それでも女子世界への渇望を捨てきれず、普通の絵(?)を描きたいと願う。
設定を捨てるのは、その段階でも遅くは無いだろう。

 

中途半端に物語に拘泥した結果…

というのは、あくまでも本作を「物語」として捉えた結果だ。

これを「平凡な日常をリズミカルに描くユルアニメ」として見た場合は、また評価のポイントも変わってくるのだろう。
だが、ユルアニメとして見た場合でも、正直キャラクターの弱さが足を引っ張る。
ストーリー性に片足を突っ込んでいるだけあって、テンポも決して良いとは言えず、中途半端な出来映えに終わるだろう。

 

作画は良い。
キャラクターデザインも抜群で、独自の雰囲気や可能性は確かに感じるアニメだ。

だが、「絵」以外に何ら長所のないアニメでもあるというのが、私の感じた本作であった。

 

しかしそれにしても、たまちゃん可愛いよう……(´ω`)

 


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セトシン

セトシン

子育て中三十路副業ブロガー。「天地無用!」の砂沙美ちゃんに魅了され、アニメの世界にどっぷり浸る。 アニメはとにかくシナリオ重視。芯のあるアニメが大好き。泣きたいけど泣かせにかかる要素は大嫌い。とにかくハッピーエンドで泣かせて欲しい人。

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