「アイマス」ではなければ、良作熱血ロボアニメなんです…「アイドルマスター XENOGLOSSIA」 レビュー

   

 放映時期  2007年4月~9月
 原作  バンダイナムコゲームス「THE IDOLM@STER」
 公式サイト  http://www.sunrise-inc.co.jp/idolmaster/

あらすじ
月の崩壊から約100年余り経過した地球。
そこには隕石を破砕する「iDOL=隕石除去人型重機」の姿があった。
それを操縦できるのは選ばれた少女達だけ。
「アイドルマスタープロジェクト」のオーディションに合格した天海春香は、歌って踊る「アイドル」になるために東京へと向かう。
しかし、そのオーディションは「iDOL」のパイロットを探すオーディションだったのだ。
巨大ロボットと少女達が紡ぎだす物語の幕が上がる…

 

評価点数:87点 ★★★★☆(良作)

 

※ネタバレは含みません

 

世の中では黒歴史アニメと言われているが…

このアニメ、アイマスファンには黒歴史としてなかったことにされているアニメである。

確かに、このアニメはアイマスファンが怒るのが無理もない内容になっている。
声優も変え、中身はアイドルゲームとしての原作要素0な話。
しかも、キャラによってはかなり酷い扱いも受ける。

原作のファンからしてみたら怒るのも納得だ。

 

だが、だからといってこのアニメを「駄作」扱いするのは少し違う。
確かに、このアニメはアイマスファンの人にはオススメ出来ない。

しかし、一つのロボットアニメとして見た時、素晴らしい良作であると私は思っている。

 

コテコテな世界観からのワクワク感

このアニメにおいての「アイドル」は、特別な意味を持っている。
それは、歌って踊る「アイドル」ではなく、ロボットとしての「iDOL」だ。

 

月の崩壊により、地球上に大量の隕石が日夜降り注ぐようになった世界。
他国は落下してくる隕石の破壊に核兵器を使用しているが、非核三原則によって核兵器を持たない日本は巨大ロボットの「iDOL」を使用している。
そして、この巨大ロボット「iDOL」に乗れる人物のことを「iDOLマスター」と呼んでいるわけだ。

 

第一話の冒頭ではそんな「iDOL」の出撃シーンが描かれる。
日常の何気ない風景が、アラームと共に出撃用カタパルトに変形していく。
道路が、線路が、池が巨大なカタパルトへと変形していく様は、あまりにも非現実的だが、それだけに魅力的な王道演出だ。

司令部にはヒゲを備えた英国紳士風のおっさんが司令官として指示を飛ばし、それを受け女性オペレーターがカウントダウンをする。

そして超高速でそのカタパルトを走り抜け、宇宙へと飛んでいく「iDOL」。

ベタベタな演出だが、それゆえに男の子ならワクワクせざる得ないだろう。
あまりにもベタすぎて私は笑ってしまったが(笑)

 

今作品はこうしたベタな演出が非常に効果的に使われている。
ピンチには駆けつける味方、たゆまぬ努力が実を結ぶ展開。
顔面を一発ぶん殴って仲直りするという一昔前の青春映画のような展開もあった。

THE・王道を貫き通す姿勢が見ていて気持ちが良かった。

 

王道を支えるのはキャラ

王道展開を支えるのはいつだってキャラだと自分は思っている。
今作品では、本当に魅力的なキャラばかりだ。

まっすぐで、弱いところもあるが、きちんと努力して克服する王道主人公な天海春香。
クールで冷酷だが、圧倒的強さを持つ優秀なライバルキャラ、菊池真。
「iDOL」には乗れないので本筋にはほとんど絡まないが、いつだって主人公のことを影から支える不人気「アイドル」、高槻やよい。
紳士で頼れる司令官(武道派)、ジョセフ・真月。

こうした魅力的なキャラクターが、少し懐かしい王道展開、世界観で動き回るのを見ているのは非常に楽しかった。
彼らも非常に好きなキャラだが、個人的にはこのキャラのために見ていた、といっても過言ではないというくらい好きなキャラがいた。

 

それは、水瀬伊織だ。

彼女の良さがハッキリと分かるのは第四話からである。
個人的にはこの第四話まではなんとしても見てほしい。

努力家、ツンデレ、プライド、優しさ、不器用さ。
自分の好きな要素を全部詰め込んだかのようなキャラだった。
ぜひ、彼女の活躍を実際に確かめてほしい。

敵キャラたちが少し物足りなかったか

主人公サイドのキャラは非常に魅力的なキャラばかりだったのだが、敵キャラには魅力のあるキャラが少ない。

主人公のライバルポジションにいる如月千早はヤンデレすぎてどうも好きになれないし、テンプレ残忍幼女キャラのリファにもいまいち感情移入できなかった。

主人公側の組織に居ながら、主人公たちとは違うやり方で世界を動かそうとしていた(いわゆるお邪魔キャラ)な朔響という渋いオッサンには良いキャラになれる可能性が少しあったのだが、終盤では情けない姿を見せるだけのオッサンになってしまっていた。
彼をもう少し終盤で活躍させていれば「嫌なやつだけど出来るやつ」として魅力が出ただろうに残念だ。

 

こういう美少女が戦う系のアニメでカッコよい敵キャラに会えたことがないのは気がするのですが、何故でしょうかね…

 

「意志」を持つロボットたち

この作品の一番の特徴と言えば、やはりロボットが意志を持っていることだろう。

だから「iDOL」に乗れたり整備出来るのは女性だけなのだ。(このせいでドスケベロボットなんて言われたりもしているが)

意志があると言っても彼ら「iDOL」が何か言葉を発することはなく、操縦も基本的にはパイロットがすることになっている。
だが、気に入らない相手は乗せないし、戦いたくない時は拒否する。

 

この物語の主軸の一つが、この「iDOL」たちと少女たちの交流だ。
その関係は友情だったり、あくまでビジネスパートナーだったり、保護者だったり、恋人(!!)だったり…
様々な関係があるが、少女たちの言動に合わせてそれぞれ個性的なリアクションをとる彼ら「iDOL」はもはや一人のキャラであり、非常に萌える(笑)
そして大事な場面では男気を見せる彼らに、惚れてしまう。

ロボットと人間の友情エピソードが大好物な自分にとって、全編を通じて描かれる「iDOL」と少女の交流が描かれる本作品は最高でした。

 

綺麗な脚本構成、しかし欲を言えば後1クール…

この作品の構成は非常に優秀だ。

一話一話にしっかりと全体の物語が進むための展開が用意されており、非常にテンポが良い。
それでいて、しっかりと次話への引きも作っているので、見始めたら一気に見れるだろう。

しかし、テンポが良すぎるゆえに、物足りなく感じる場面が幾つかあった。

中盤の亜美、真美の話。
内容は良い話だし、テンペスターズが登場した時の盛り上がりは確かにすごかった。
しかし、少し展開が性急すぎかなという印象も受けた。

個人的に一番残念だったのは終盤の展開が少し雑になってしまったことだ。
真についての掘り下げをもっと丁寧にやれば大きな盛り上がりとなっただろうし、如月千早の扱いがどんどん可哀想な人になっていくのはアイマスファンでなくても見ていてキツかった。
黒幕的な存在がどんどん雑に殺されていくのもまとめるのに苦労している様子が感じられてしまい、物語に集中出来なかった。

やはり、贅沢な要求ではあるが、もう1クールあれば、作品の完成度としては大きく違ったのではないかと感じてしまう。
キャラクターや世界観が非常に良かっただけに、その点だけが惜しかった。

最終話の締め方は最高

終盤の展開が雑、とは書いたが、それは物語後半から動き始めた敵組織との戦いにおいてのまとめ方だ。
この物語の主軸にある「iDOL」と少女たちのドラマはブレずに丁寧に描かれ続けている。

そして、最終話では、最高の締め方をしてくれた。
雑な展開で少し作品の評価は落ちるかと思っていたが、この最終回は見事に物語を締めてくれた。

OPが流れる最後の「iDOL」と少女たちの活躍シーンは激アツであったし、「iDOL」と少女たちの絆が分かるラストシーンは間違いなく名シーンだ。

視聴後の気持ちよさは保証できる最終回となっている。

 

「アイマスファンでなければ」良作アニメ

色々と問題点はあるものの、それらの問題点をキャラの魅力と王道設定・展開でぶち壊しながら進む、見ていて非常に気持ちのよいアニメだったと思う。

SF設定もそれなりに考えられていたし、「iDOL」のデザインもかなり独特でカッコイイ。
本当に一つのロボットアニメとして見たならば良作だ。

しかし、問題はこのアニメをアイドルマスターのアニメ化として作ってしまったことだろう。
原作のファンでない自分も、この扱いはどうよという扱いをされているキャラもいる。
やはりそういった意味では誰にでもオススメ出来る作品ではないし、「問題作」といえるだろう。

しかし、何度も主張するが、一つのアニメ作品として見た時、この作品は決して「駄作」ではない、むしろ「名作」といえるだけのポテンシャルを秘めていることを主張したい。


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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