最高の「アニメ化」と言える熱血スポ根作品! 「灼熱の卓球娘」 レビュー

      2017/02/14

 放映時期   2016年10月~12月
 原作  朝野やぐら
 公式HP  http://syakunetsu.com/

あらすじ
中学卓球界では、9年連続全国大会優勝の凰堂学園が敗れるという大波乱が起きていた。
群雄割拠の覇権争いが始まりつつある中、市立雀が原中学校卓球部のランキング1位に君臨するエース・上矢あがりは、その座を誰にも渡すまいと日々努力を重ねていた。
しかし転校生・旋風こよりにより、そのランキングは大きく変動していく…

 

評価点数:90点 ★★★★★(名作)

 

 

ただの萌えアニメと思ってはいけない

今作品、絵柄からはかなり「萌え」な感じがするキャラデザの作品だ。

しかし、さすが「ジャンプ」(といってもとなりのヤングジャンプだが)に載ってるだけはある、熱血スポ根な展開を見せてくれるアニメだ。

魅力的なキャラ達、熱い展開、それを盛り上げる最高の作画と音楽。

見た目とは裏腹に、近年まれに見る上質なスポ根作品であった。

 

良質なライバルキャラである上矢あがりの存在

この作品の肝はなんと言っても主人公のライバルであり親友でもある「上矢あがり」の存在だろう。

注目すべきは、彼女の卓球をしている理由だ。
第一話の時点で彼女が卓球をしている理由、それは、「皆にチヤホヤされたいから」だ。
この設定が非常に人間臭くて面白い。

後輩にエースとして、部内の最強プレイヤーとして、持ち上げられる。
すごいすごいと褒められる。
そのことが単純に気持ち良くて、卓球をやっている。

何とも人間臭く、しかし、共感できる理由である。

実質、第三話までは彼女が主人公と言っても良いだろう。

あがりの三話までの立ち位置は、新たな「強敵」に対して、努力して勝利しようとする、まさに「主人公」な描写をされている。
その理由も、ある意味「汚い」自己顕示欲丸出しな理由だからこそ、彼女に感情移入できるし、応援したくなる。
良質な作品では良いライバルキャラは必須だが、この作品はあがりという素晴らしいライバルキャラによってグンと魅力が上がっている。

 

丁寧に盛り上げ、アニメとしての魅力を最大限に発揮した第三話

第三話はTVアニメの勝負どころとして描写されることが多いが、この作品は完全にこの勝負どころで勝負に出て、見事に完勝している。

部のエースとして「チヤホヤ」されていたあがりだが、主人公である「こより」の出現によってその立場が危うくなる。
後輩達の関心はこよりに移り、注目されなくなっていく。
そのことにあがりは激しく嫉妬してしまう(それはもう泣いてしまうくらい)

この主人公の登場、主人公への嫉妬は、三話をかけて非常に丁寧に描かれる。

主人公のこよりが部内の強者を打ち倒していく試合が三話までの内容だ。
この三話までの卓球シーン、特に激アツなエピソードというものはない。
視聴者への部員のキャラ紹介を兼ねて作られた試合シーンだ。

 

しかし、面白い。

この面白さの理由は、アニメとしての純粋な面白さがつまっているからだ。
漫画では出来ない、音楽とドハデなアニメーションによる盛り上がり。
テンポよく入る各々の持ち技の解説。
スポーツアニメの試合シーンとして非常に高い完成度を持っている。

こうして強者を倒し、着々と後輩からの支持、同級生からの賞賛を受けていく主人公のこより。
丁寧に、しかし容赦なくあがりの地位が脅かされる様子が描写される。
それに負けずとあがりは猛練習をしとぃく。
必死に、必死に練習を積んでいく。
主人公のこよりよりも、主人公のように、ライバルへの意識を描写されていく。
この三話までの展開で、視聴者は完全にあがりに感情移入する。

それと同時に、「ドキドキしたい」の思いでひたすら勝利していくこよりの強さにこちらも「ドキドキ」していく。
スポーツ物、バトル物の基本である「強いやつとの戦い」への盛り上げを忠実にこなしていく。

 

視聴者の盛り上がりが最高潮に達した第三話で、あがりとこよりの決着が描かれる。

まず、OPから特別演出が入る。
知る人ぞ知る、「レイズナー方式」である。
これはサビの前に本編のシーンを部分的に紹介するというものだ。
これもまた、アニメ特有の演出であり、非常に面白かった。
漫画には出来ない演出で、ここは他の話とは違うぞ、という主張をわかりやすく伝えている。

あがりとこよりの試合シーンは、もう素晴らしいとしか言えない出来だ。
原作の迫力ある構図を上手くアニメーションに落としく込みつつ、緩急をつけた作画、テクノっぽく盛り上がりを作るBGMによって演出された試合シーンは、まさに神回としか言えない面白さを三話にもたらした。

最後の締めはEDをfullで流し、三話までの回想を流すことで物語に大きな余韻を持たしている。
始めから終わりまで、力を入れて作っているのが伝わってくる演出だ。

 

素晴らしいアニオリ

このアニメ、なんと言っても特筆すべきは多くのアニメオリジナルシーンがあることだろう。

先述した第3話までの主人公と部内の強者との試合シーン、それらは全てアニメオリジナルだ。

何を隠そう盛り上げに盛り上げた3話までの展開は、原作だと1話分しかないのだ。
卓球シーンがあるのはあがりとこよりの試合だけである。

おそらく、このアニメオリジナルシーンがあるのとないのとでは、全く第3話の盛り上がりは違っただろう。

 

他にも、後半から始まるもず山中学との練習試合でも、こより以外の試合シーンが無かった原作とは違い、アニメでは部員全員の試合が描写されている。

これらのアニオリによってあがりやこより以外の部員のエピソードもきちんと描写され、感情移入することが出来た。

多くのアニオリの中で自分のお気に入りは二つある。
一つは部長と副部長のダブルスシーンだ。
この試合はアニメにて卓球のダブルスが初めて描写されたという貴重なシーンであるのに加え、部長と副部長のエピソードも質が高かった。
おそらく原作者が尺の都合で描写出来なかっただろうキャラの掘り下げをきれいに補完した素晴らしいエピソードであった。

二つ目、これが自分の本命なのだが、それは最終話の合宿シーンである。
最終話の合宿の最終日の夜、1年生が2年生のあがりやこよりから卓球を教えてもらうというシーンだ。

このシーンを最終話に挿入した、脚本家のセンスに感服した。
今までは主役である2,3年生ばかり目立ち、リアクション要因のモブのような扱いだった1年生。
しかし、ここで初めて一人のキャラとして成立していく。

それと同時に、このアニメが「部活モノ」での魅力の一つである後輩の先輩への憧れ、関係をしっかりと描いている。
今まで「モブキャラ」と言われてもしょがないような存在感のキャラだからこそ、主人公たちから指導を受け、彼女らが未来のエースになっていくのだろうなと思わせる描写を最終話に入れたことで、視聴後の満足感が大きくあがった。

ベタと言われようと、こうした主人公とヒロインの子供ができるとか、こうしたスポーツモノの後輩の成長のような、「未来の希望」があるような終わり方は非常に気持ちいい。

 

良質なスタッフに恵まれた最高のアニメ化と言える名作

音楽、作画、演出、脚本。

どれを取っても、非常に完成度の高い水準であり、名作と言えるだろう。

特に脚本のアニオリの入れ方、原作の構成変更などは素晴らしかった。
流石ベテランの倉田英介が脚本家が務めているだけあるなと感じた。

自分はアニメ視聴後、続きが気になり、原作を大人買いしたのだが、これからどんどん盛り上がる展開になっている。
むしろ、ここからが本番といった感じだ。
だからこそ、この素晴らしいスタッフたちで、第2期を作って欲しい。

皆さん円盤買いましょう、僕は買いました!


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ビッテンk

ビッテンk

熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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