魔法も幼女もどうでもいい大人たちの戦争の物語!「幼女戦記」レビュー!!

   

幼女戦記 3 [Blu-ray]

 放映時期  2017年1月~2017年3月
 原作 カルロ・ゼン
 公式サイト http://youjo-senki.jp/

解雇を通告した従業員の意趣返しにより、エリートサラリーマンだった主人公は命を落とす。

創造主を名乗る「神」こと「存在X」によって、幼女として別の世界に転生した主人公。
その世界は、魔法という概念が存在する、世界大戦の欧州のような世界だった。

 

評価点数:82点 ★★★★☆(良作)

 

※ネタバレを含みません。

 

純粋な戦争アニメとしての魅力

極端な話をすれば、主人公が幼女であることは本編にとって決定的な要素ではないと思う。
もちろん、主人公であるターニャ・デグレチャフのいちいち幼女な要素は、本作における不思議な世界観に一役買っているが、本作の面白さの主因は決してそこではない。
幼女というのはあくまでも、作品に興味を持ってもらうための広告に過ぎない。
主人公が普通に成人女性であっても、この物語は面白かったはずだ。

本作は純粋に、戦争アニメとしてのクオリティが高いのである。

第一次世界大戦を想起させる世界観は馴染み易く、そこに魔法という兵器が違和感なく取り入れられた時代設定は巧緻だ。
最先端で戦う兵士たちの塹壕戦も、後方で戦略をつかさどる裏方のシブいオッサンたちのハードボイルドな魅力も、良質な戦争アニメとしての看板を背負うに十分なものだろう。

ていうか、第一次世界大戦な世界観を持ったアニメは割と希少な気がする(^^;

 

本投稿のタイトルでもある、「魔法も幼女もどうでもいい大人たちの戦争の物語」というのが、この作品の魅力の最も本質的な部分だろう。
恐らくこの作品は、幼女が出なくても、魔法がなくても、普通に面白い。

 

ターニャ・デグレチャフという幼女の魅力

そうはいっても、主人公の「幼女」設定が本作の魅力に一役買っていることもまた、事実だ。

本作における最大の魅力は、ターニャ・デグレチャフという幼女の「無双感」だろう。
陰謀詐術蠢く戦場にて、知略と魔力で次々と強敵を倒していく残虐無比な幼女。
様々な形容詞に常に相反する「幼女」という要素が、主人公の強さから「イヤミ」のようなものを取り去ってくれている。
これは結構画期的な方法だと思う。

多分、転生前の主人公(男)のような人物を主人公にすれば、「イヤミ」感はバリバリだろう。
本来、「無双なキャラクター」というのは極めて扱いにくい。
そういった人物を主役に据えた場合は、そのキャラクターの人間性やら何やらで、強さ以外の人間性の部分について、上手に魅力を保たねばならない。
それに明確に失敗しているのが、例えば「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」などである。
強過ぎる絶対者は、えてして周囲の反感を招きがちなのである。

本作における「幼女」は、その「演出と共感の間にあるズレ」を見事に解消する最高の一手だ。
ターニャ・デグレチャフが一般的な成人男性であれば、視聴者たちにそれほど受け入れられたとは思えない。
だが彼女が女で、しかも「幼女」であるがゆえに、視聴者は彼女に対して明確な反感を抱くことなく、ある種のネタ的な側面からキャラクターを捉えることができる。
労せずして、「愛嬌」という強キャラ主人公に欠かせない要素が手に入るのだ。
これほどの妙手はあるまい。

 

幼女+オジサマで描かれる大河ロマン

本作品を良作として成立させる要素は大きく三つあり、

  • 高い完成度の世界観
  • オジサマたちの渋くて重厚な戦絵巻
  • とある幼女の無双合戦譚

に分けられると思う。

重厚な大河ロマン的な側面を持った作品であるが、実際にはとある幼女が無双しまくってオジサマたちの作戦を成立させている面も強い。
ただこれらは、オジサマの描写がカッコ良過ぎる面(声優のキャスティングも強烈)やターニャのキャラクターの出来の良さから、「何とか我慢できるレベルのトンデモ感」で収まっている。
厳密に言えば、突如として登場した新兵器や幼女の持つ個人の力で膠着した戦況が覆るわけなので、違和感がある人にはあるかもしれない。
そういった側面については、他の魅力で補っている、というのが本作の正しい解釈だと思う。

唯一の欠点は、空戦の描写だろうか。
ターニャ以外の団員の動きが結構ムラがあり、ずーっと空中で止まっているような描写も散見される。
動くときはヌルヌル動くのだが、ターニャが鍛えた精鋭にしては、クワトロ大尉あたりに「止まっていると…!!」と説教されそうな稚拙さだw
ターニャのキャラクターが立っているだけに、余計に角が立つと言えるかもしれない。

 

ただ、物語はまだまだ道半ばだ。
作中において、「存在X」という本当に謎な存在は、キーキャラクターとしてそこそこ活用されている一方で、単なるトラブルメーカー、ネタ創造機的な扱いに終始している。
言ってみれば、直接本編に絡んできてはいない。
ライバルとなる敵キャラもこれといってなく、物語はまだまだ途中のまま、アニメの幕は下りた感が強い。

是非続きが見たいところだ。


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セトシン

セトシン

子育て中三十路副業ブロガー。「天地無用!」の砂沙美ちゃんに魅了され、アニメの世界にどっぷり浸る。 アニメはとにかくシナリオ重視。芯のあるアニメが大好き。泣きたいけど泣かせにかかる要素は大嫌い。とにかくハッピーエンドで泣かせて欲しい人。

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