ハードボイルド双子物語! ufotableの秀作「フタコイ オルタナティブ」を見知っておけ!

      2017/06/07

フタコイ オルタナティブ DVD-BOX

 放映時期  2005年4月~2005年6月
 原作 双葉ひな、ささきむつみ
 公式サイト http://king-cr.jp/special/hutakoi/ufo/

父親の跡をなんとなく継いだ、私立探偵・双葉恋太郎。
彼と謎の双子・白鐘姉妹との、不思議な同居生活の物語。
心を通わせ、三人でいたいと願う彼らと、個性豊かな「ニコタマ」の住人たち、そして突如として現れる謎のイカ星人……。

バカで熱血でハードボイルドでヌルヌル動く、漢の物語。

 

評価点数:79点 ★★★☆☆(佳作)

 

※ネタバレを含みません。

 

本質はオーソドックスな青春ドラマ

旧アニメ及び恋愛アドベンチャーゲーム「双恋」の香りは微塵もしない本作。
主人公にしても世界観にしても全く関連性はなく、あくまで「同じヒロインを使った全く別の作品」だ。
そして同時に、その作品の本質からは、かつての恋愛アドベンチャーな名残は微塵として感じない。
重い運命を背負った双子や、熱血スーパーマンな主人公、謎のテロリスト(ていうかイカ)と、全体から立ち込める臭いは恋愛の甘酸っぱいそれではなく、男臭いハードボイルドな、親父のコロンの臭いのようなものかもしれない(違う?w)

そして最大の武器は、間断なく投入されるエピソードから生み出される抜群のテンポ感。
恐らくこの作品の最大の魅力だろう。
冒頭から続く小気味良いコメディと、その裏側にひっそりとたたずみ続ける影のようなものの対比が、常に効果的な陰影となって作品全体を引き締めている。

 

端的に言えば、本作は主人公である恋太郎の「青春一大絵巻」だろう。
繰り広げられる物語はモーレツにバカな話なのだが、その物語にクソマジメに乗っかって青春しているのが、本作である。
とにかくイミフなほどにバカなお話を、とことんマジメに青臭く描いている。

そして、その青春ドラマとしての本質は、極めて正統派だ。
双葉恋太郎が悩み苦しみ成長してヒーローとなるという、王道を行く物語である。
だが、本質を見なければとんでもなくバカな話なので、「悩み苦しみ」の部分がうまくオブラートに包まれていて、視聴者のハードルを大きく下げている感がある。
狙ってやっているのなら、巧いと思う。

 

加えて、ufotableのオバカなほどに安定した超作画だ。
当時のアニメとしては次元違いなレベルに到達しており、現在の映像クオリティと見比べても、作画面で見劣りするようなことはほとんどない。
日常を彩る濃い陰影も、アクロバティックな空中サーカスも、総じて作画は圧巻だ。

なので本作の特筆すべき良さというのは、「作画」と「リズム」ということになる。

 

安定感は抜群だが、「決め技」に欠ける惜しさ

上述した「作画」と「リズム」だけが本作の魅力では、もちろんない。
ただ、ここまで圧倒的なスケールで繰り広げられた作品としては、物語の部分がやや追いついていない印象がある。
もちろん完成度は高いし、誰が見ても面白いアニメではあると思うのだが、シナリオに「決め技」がないというのが、私の個人的な印象だ。

前述のとおり、物語の骨子が「極めて正統派な青春ドラマ」のため、予想の範疇で物語が終始してしまう、と言うべきだろうか。
もちろん、バカなイカをはじめとして予想もつかない要素は枝葉にはたくさんあるのだが、肝心の本筋のエピソードにもう一つひねりが欲しかったと思うわけである。
もちろん、現時点で凡々たる他のアニメなど寄せ付けない完成度を誇るのだが、「ラストの感動が心に残って離れない」というレベルに到達できていない印象があり、それがあまりにも惜しいのだ。(もちろん、ラストもいいのだけれど)

 

では何が欠けているのかと言われると、恐らくヒロインの「深み」だろう。
これはキャラクターの完成度という意味ではなく、単純に背景、彼女たちの持つ「設定」の部分だ。
もちろん、沙羅と双樹のキャラクターのつくりこみに隙はなく、普通に物語の質を落とすようなものでは決してないのだが、そもそも本作において、「極めて正統派な青春ドラマ」としての恋太郎の物語は完全に完成されており、魅力を「付け足す」としたらヒロインである双子に何らかの深みを加えるしかないと思うのだ。

序盤からこれ見よがしに描写されるヒロインの「謎」要素。
これに対して、明らかになるその「中身」が割と普通だったりもするのが、唯一のケチのつけどころかもしれない。

まあでも、これ以上深くするとしたら、二人の設定に何かしら「もっと厳しい」要素を付け足すことになるので、物語の雰囲気もラストの展開も違うものになってしまうだろうから、本作はやっぱり今のままでいいのかもしれない。
重くないし、厳しくないから何度でも見れるのが、このフタコイオルタナティブの魅力だろうから。

 

いやいや探偵キックですよ奥さん

ただ、この作品には他のアニメにはなしえない、奇跡のような一つのシーンがある。
これははっきり言って、このシーンをやるために本作があったというレベルで、恋太郎を中心としたメインエピソードの充実ぶり、その完成度の高さをいやがおうにも明示する名シーンだ。

ufotableという超作画を誇る会社が、何を目指して本作をつくったのか。
実際のところは知る由もないが、本作を一通り見れば、

「ああ、このためにufotableの作画があったんだ」

と妙に納得できてしまうw
物語の最高の盛り上がりどころで、最高の作画が乗る。
これほど最高なコトはないってくらいに、最高にアツく燃えるのだ!

 

なので本作を知らない皆さんは、是非ご視聴ください。

そしてみんなで叫びましょう。

「探偵キック!」と。


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セトシン

セトシン

子育て中三十路副業ブロガー。「天地無用!」の砂沙美ちゃんに魅了され、アニメの世界にどっぷり浸る。 アニメはとにかくシナリオ重視。芯のあるアニメが大好き。泣きたいけど泣かせにかかる要素は大嫌い。とにかくハッピーエンドで泣かせて欲しい人。

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