男のロマンを丁寧に描いた佳作 「オーバーロード」 レビュー!

      2017/09/03

 放映時期  2015年7月~9月
原作  丸山くがね
公式HP  http://overlord-anime.com/

 

評価点数:63点 ★★★☆☆ (佳作)

 

あらすじ
一大ブームを巻き起こした仮想現実体感型オンラインゲーム《ユグドラシル》はサービス終了を迎えようとしていた。
プレイヤーであるモモンガも仲間と栄華を誇ったギルドで一人静かにその時を待っていた。しかし、終了時間を過ぎてもログアウトしないゲーム。
突如として意思を持ち始めたNPCたち。ギルドの外には見たこともない異世界が広がっていた。

 

丁寧な異世界への導入、たまらないワクワク感

最近流行りの異世界転生モノ。
今作品もその一つだ。

主人公はあるMMORPGを徹底的にやり込んでおり、最強のギルトのリーダーだ。
複雑なダンジョンの中に居城があり、ありとあらゆるレアアイテムを所有し、強力なNPCを従えている。
主人公は魔物族のアバターなので、それはさながら最強の魔王軍だ。

しかし、そのゲームがサービス終了を迎えてしまう。
過疎になり、主人公以外誰もプレイヤーのいないゲームの中で、最後の時を待つ主人公。
しかし、終了時間になってもゲームは終わらず、主人公は自身がゲームで作ったキャラになってしまう…

 

という流れの描写に第一話丸々全部使っている。
冗長に思えるかも知らないが、ここで、主人公がどれだけゲーム内では強者なのか、NPC達やレアアイテムがすごいのかを説明される。

このように丁寧に転生する世界、状況を描写されることで、その後の展開への期待感が大きく上がる。
こんなに強い主人公が、一体この世界でどういう活躍をするのだろうか。
そうしたワクワク感が生まれる。

更に、異世界転生モノにありがちな何となく主人公が強い(主人公の強さに理由がない)ということはなく、毎日皆とゲームをやりこんだから、という前提があるのも、主人公の強さに理由があって納得出来、スムーズに物語に入れる。

そして極めつけは、自分がゲームのプレイヤーになる、というシンプルながら非常に魅力的な設定の効果だ。
やりこんだゲームでの無双プレイ。
自分がかけた時間の分だけ、気持ちの良い結果が返ってくる。
普段が冴えない生活を送ってるから、ゲームの主人公の圧倒的な輝き、活躍に憧れる。
今作に至っては、序盤から主人公が作った「最強の魔王軍」の紹介がされる。
この魔王軍の頂点に立つ、そんな中学生の妄想を見事に具現化した内容に、男の子なら興奮しないはずがない。

 

無双しても嫌味がない主人公

こうした異世界転生モノで重要なのは主人公の「ウザさ」だ。

展開が無双になりがちなこの系統の作品では、嫌味がない主人公(あるいは逆に最高にクズな主人公)のどちらかでないと、視聴するのに嫌気がさしてしまうことが多い。

主人公は、第一話からずっと、ゲームの姿でしか現れず、声だけだ。
その声も気弱そうで、いまいちパッとしない。(このあたりの演技は多くのラノベ主人公を演じた日野聡ならではだ)

行動から見える小心者感は、好感を覚えてしまう。
転生したての頃に、ゲームキャラとして部下のNPCに指示を飛ばすのをためらってオドオドしている様子は素直にカワイイ(笑)

しかし、決めるところは、最強のギルドの長として、しっかりと決める。
また、心の声では動揺していても、それを姿には出さず、表向きはリーダーとしての威厳を保っているので、周りの人物が彼に惹かれる様子に違和感を覚えることなく、素直に物語に導入出来る。
ただ威厳を保ってる裏で恥ずかしがったりする可愛らしさもしっかりあるが(笑)

とにかく、愛くるしいこの主人公のことを嫌いになる人は殆どいないだろう。

 

序盤は気持ち良かった無双展開も…

前述した通り、丁寧に描写された転生から、序盤の主人公の圧倒は素直に楽しい。
凄まじいまでのチート能力、強い部下によって悪役たちを懲らしめていく様は素直に気持ち良いので、スラスラと見える。

しかし、その圧倒的な強さに慣れてしまうと、物語に緊張感が出てこない。
あまりにも強すぎて、出て来る敵に負ける様子が想像できないのだ。
基本的に相手の魔法などの攻撃が一切主人公に通じないので、緊張感がない。
部下もほとんどの敵が足元にも及ばない化物ばかりなので、主人公居ないとピンチ!という状況にもならない。

早く彼らを脅かすような敵キャラの存在を…
と思うのだが、それが中々出てこない。
悲しいくらい出てくる敵キャラが弱い。

その癖、序盤と変わらないペースで丁寧に一戦一戦描写する。
一々敵キャラが己の強さを説明し、その後一瞬圧倒しているかのように見える展開をするが、実は主人公たちは完全に舐めプをしており、一瞬で逆転され、長時間いたぶられる。

これを何度を見せられるのは正直キツイ。
せめて最後の敵は盛り上がるのではと期待していたのだが…

 

最後の戦いが設定として盛り上がらない…

最後の戦いの相手、若干のネタバレになるが、主人公の部下だ。
つまり、主人公が作ったNPCキャラである。

この設定の時点で、個人的には大分冷めてしまった。
作られたキャラが、作った本人に素直に勝てるとは思えない。

そこに、主人公が大きな負傷しているとか、部下が大幅な強化をされている等の、ハンデを埋める工夫もされていない。
主人公の制限としては部下を殺さずに倒すという制約のみだ。

最後の戦いも全く盛り上がらないものかと思ったが…

 

この作品らしいラストバトルは面白い

主人公が圧倒して勝つ。

結局のところその流れは変わらないのだが、その勝ち方がこの作品らしい。

最終戦では、主人公は怒涛のようにレアアイテムを使いまくる。
それはゲーム内ではイベント期間中でレアドロップするアイテムであり、その世界では伝説のアイテムとされ、チート効果を持つアイテムばかりだ。

それを惜しげなくバンバン使いまくる。
それはもう笑っちゃうくらいだ。
しかも使う度に主人公が心の声でアイテムを手に入れた時の思い出を振り返るのが、また面白い。

この圧倒的なアイテムだよりの最終決戦は、極めたゲームへの転生というこの作品の特徴を上手く使っており面白く感じた。

 

序盤の高揚感を生かせなかった惜しい作品

序盤の丁寧な転生前のゲーム世界の描写、その期待感を裏切らない圧倒的無双。
それが続く序盤は非常に面白かった。

しかし、中盤に入ると強すぎる主人公たちのバトルに緊張感がなくなり、かなりダレてしまう。
序盤は好印象だった丁寧でゆっくり目のテンポも逆に足を引っ張ることになってしまう。

最終戦も、相変わらず緊張感はなかったが、この作品らしいレアアイテム祭りの戦いは面白く、少しは持ち直した。

終盤で、主人公と同じレベルのやりこみをしたプレイヤーがこの世界に転生している可能性があることが示唆される。
これをもう少し早く、中盤あたりで行い、テンポを早めて戦いを描写すればこの作品はもっと良いものになったかもしれない。

丁寧な描写は序盤では好印象だったが、中盤、終盤で逆効果になってしまったのは本当に残念だ。

原作はまだまだ続いており、物語はこれから本格的に動き始めるのだで、続編に期待である。


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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