唯一無二のギャグアニメ 「人造昆虫カブトボーグ V×V」 レビュー
放映時期 | 2006年10月~2007年10月 |
原作 | なし |
公式HP | http://www.bs-j.co.jp/kabuto/ |
評価点数:77点(佳作) ★★★☆☆
あらすじ
カブトボーグを使った「ボーグバトル」に熱中する少年、リュウセイを中心とした少年たちの漢の戦いを描く。
「カオス」の一言に尽きるアニメ
名前やキャラデザの通り、このアニメは「カブトボーグ」というオモチャの宣伝アニメとして作られた。
しかし、その内容は全くもってカオスである。
どのくらいカオスかと言えば、あのフリーダムすぎることで有名なテレビ東京に持ち込んだ際、「とても放送出来る内容ではない」と言って断られた程である。
しかし、今作品はカオスだからつまらない、という作品ではない。
脚本の整合性とか、キャラがブレてるとか、そういう中途半端な作りをこのアニメはしていない。
最早カブトボーグというジャンルなのである。
第1話を見れば言ってることが分かるだろう。
まず、いきなり世界大会の準決勝で悪の幹部と主人公が戦う所から始まる。
多くの視聴者は、見る話数を間違えたかとおもうだろう。
戦いの内容も、カブトボーグを使った「ボーグバドル」という戦いなのだが、ルールの説明などは一切ない。
何だか接戦をしているようだが、その内容は全く分からない。
ポカーンとしている中、準決勝は終わり、決勝に入り、悪の組織のボスと一騎打ちに入る。
ここでようやく、このカオスな状況を楽しむことがこのアニメの面白さなのだと気がつく。
しかもこのアニメ、この第二話では全く一話の内容は関係ない。
意味深なラストや大きな展開があっても、その次の話では何事もなかったように話が進む。
主人公とその周りの主要人物たちは固定だが、その他の登場人物は基本的には一回しか登場しない。
ヒロインも話ごとに変わっていくので、「使い捨てヒロイン」なんて言われる始末だ(笑)
カブトボーグのカオスさを書き記していると、それだけでレビューが終わってしまう。
それほどまでにカオスである。
正にこのカオスさは「脚本の遊び場」と言っても良いくらいであり、ここまでカオスだと最早笑うことしかできなくなる。
具体的な内容は、ググって頂くと沢山出てくる。
是非興味を持った方はググって欲しい。
そしてそのハチャメチャな内容に興味を持ったら見るべきだ。
更に他のギャグアニメと違うところは、このカオスさで登場人物の誰もツッコミを入れない点だろう。
誰もツッコミを入れずに、全てが当然のように流れていく狂気の世界。
この独特の雰囲気は癖になる。
自分はニコニコ動画でコメントのツッコミがあったから最後までみれたが、なかったらキツイとこらはあるかもしれない。
ツッコミ不在の狂気と言える世界、それを笑いと取るか、糞アニメと捉えるかで、この作品の評価は大きく違ってくるだろう。
というーか、糞アニメなのは間違いない。
だが、唯一無二の糞アニメといえるだろう。
意外に熱い脚本もあり
鬼畜な主人公リュウセイを始めとするレギュラーキャラの濃さは非常に魅力的だし、使い捨てられていくキャラクターたちも非常に魅力的な個性を持ったキャラが多い。
そして何よりも、意外に熱い脚本が多い。
恋した女の子を救うための死神とのボーグバトル。
世界大会で、チャンピオンの覚悟に圧倒され、故郷にかえってしばらくして、敗北を実感して涙する主人公。
等など、とても熱い展開、場面が極稀にある。
特に自分が好きな話がある。
あらすじはこうだ。
安価でどこでも買える「使い捨てボーグ」というのが大流行する。
自動販売機等で気軽に買え、バトルし、その場で使い捨て出来るボーグに、人々は熱中する。
しかし、一方、今までのように丹念に作られてきたボーグは売れず、人々のボーグに対する扱いは雑になっていく。
壊れたボーグを腕利きの職人になおしてもらった主人公は、人々がボーグに対し愛を持っていないことに嘆いている職人たちの様子を見て、新たなボーグを持って「使い捨てボーグ」を作っている企業に乗り込む。
そこで、企業の社長と社員達と主人公のボーグバトルが始まる。
普通のアニメなら、企業側は完全な悪役として描かれ、為す術もなく主人公に打倒される。
しかし、この話しでは、企業側の努力や想いも描写される。
より多くの人々にボーグバトルを楽しんでもらえるように、企業努力をし、「使い捨てボーグ」を生み出してきた。
その想いも、職人たちの想いに必ず負けるというわけではない。
とても熱いバトルだった。
結果は主人公たちが勝つのだが、こうした自分のツボを的確に突くような話しがたまにあった。
もっとも、職人が作ったボーグを次回予告で負けた腹いせに川に捨てるというのがこのアニメらしいが(笑)
ハズレな話が多いのが欠点
このアニメ、全52話と非常に長い。
この長さの中で、当然全ての話が面白いというわけではない。
脚本の遊び場と言われるくらい、各話カオスな状況である。
ツボにハマれば面白いが、そうでない話も人によっては結構ある。
ニコニコ動画などで、皆のコメントによるツッコミがある状況だとまだ耐えられるが、一人で見ているとツッコミのない空間に疲れてしまうこともある。
元々このアニメ自体が非常に人を選ぶ上に、この長さと完成度のムラは非常に厳しい。
話によっては90点になる話もあるが、一方で駄作感しかない話もある。
この点が大きな原点ポイントだ。
友達や誰かと、一緒にツッコミながら見るのを強くオススメする作品だ。
そうしないと、途中で脱落してしまう可能性が非常に強い。
唯一無二なアニメ
ギャグアニメとして、いや、アニメとして、ここまでカオス、無秩序なアニメは中々ないだろう。
この作品の特徴として、ただカオスなだけではなく、「ボーグバトル」という奇妙なテンプレバトルの存在も非常にこの作品の独特な雰囲気を作り出している。
この独特な雰囲気が強すぎるが、この強烈な個性のアニメを、是非一度は味わってほしい。
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ビッテンk

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