昭和の熱さと、平成のダメさ 「Infini-T Force」 レビュー!

   

 放送時期  2017年10月~12月
原作  なし
公式サイト http://www.infini-tforce.com/tv/index.html

あらすじ
冷めた性格で退屈な日々を過ごしていた女子高生の「界堂笑」は謎の光に貫かれ、見覚えのある鉛筆を手に入れる。
その後、笑は突然現れたロボット集団に襲われてしまう。
絶体絶命の危機にガッチャマン、ポリマー、テッカマンの3人のヒーローが登場する。
さまざまな出会いと別れを繰り返しながら、やがて笑は「ケース」と呼ばれる鉛筆に秘められた奇跡の力を知り、ヒーローたちと共に全世界の存亡に関わっていく。

 

評価点数:70点 ★★★☆☆ (佳作)

 

熱い作品として大いに期待をあげる序盤

まずはこのpvを見てもらおう。

 

このpvから、この作品が「熱い作品」ということは分かってもらえるのではないだろうか(笑)

 

そしてその期待を裏切ることなく、第一話冒頭から素晴らしいシーンで始まる。

空中からさっそうとガッチャマンが登場するシーンだ。
地面に着地するシーンの摩擦の火花。
一周回ってカッコイイ技名を大声で叫ぶ演出。

期待に応える熱い演出で、自分のテンションはマックスだった。

 

作画(というかCG)も、高いクオリティを誇る。
ヒーローたちのカッコイイ戦闘シーンを十分に伝えてくれる。

序盤からテンションMAXで、かなり期待大な作品であった。

 シンプルなあらすじを盛り上げるキャラ達

本作品は、タツノコプロを代表するガッチャマンやテッカマンといったヒーロー達が集結し、悪を倒すという、タツノコプロ版アベンジャーズと言った内容だ。

シンプルなあらすじである。
この作品の魅力は、このシンプルな物語ではなく、別にある。

 

1つが、ヒーローたちの純粋なカッコよさだ。
この作品に登場する昭和のヒーロー達は、最近のヒーローたちとは大きく違う。

それは、彼らは既に成長し、一人のヒーローとして存在しているからだ。
悪を倒し、弱き者を助ける。
そこに迷いはない。

 

彼らは元々いた世界で、悩み、傷つきながら、ヒーローとして活躍し、それぞれの強さを獲得している。
成長しきっている。
だから、この作品の中では、一切迷うことなく、自分の信じた正義を実行する。

誰が見ても正しい正義を、圧倒的な力で実現していく。
そこに普通の作品で必ず描かれるヒーローの迷いや悩みが一切描写されないため、ストレスがなく非常に見ていて気持ちいい。

 

しかも、彼らヒーローのキャラ作りが非常に上手い。
こうしたキャラを作ると、「メアリー・スー」(俺ツエー系キャラ)状態になることも多々ある。
最近のラノベ主人公などによく見られる現象だ。

 

しかし、この作品のヒーローはそうはならない。
その理由は、彼らの人間味と、確固たる自信だ。

戦いになれば、勇猛果敢なヒーローだが、普段の生活では少しマヌケな場面も存在する。
女子高生なんかにおじさん、なんて呼ばれたり、だらしない生活だったり…

そうした完璧でない、人間味あふれる場面をみせてくれることで、より愛着がわく。

 

そして、他の「俺ツエーキャラ」と一線を画す最大の理由が、自分の正義への自信である。
自分が信じている正義を持ち、それを発言し、実現する。
当たり前と言ったら当たり前なのだが、これをしっかりと実現できているキャラは意外と少ないのだ。

 

成長するのはやっぱり主人公

だが、これだけでは作品の中にキャラの成長というのがない。
そこで、こうした完璧なヒーロー達とは真逆の存在として描かれるのが、主人公である現代女子高生、「界堂 笑」である。

彼女は、熱いヒーローとは真逆の、冷たい性格をしている。
他人のことはもちろん、自分の人生ですら興味がなく、ゲームのように自分の生死を決めたりする。

 

そんな彼女が、持ち主の願いを具現化する「ケース」というアイテムを入手することによって、ヒーローと関わりを持ち、悪と戦っていくことになる。

自分とは真逆の価値観を持つヒーロー達と関わっていく中で、笑自信に変化が生まれていく。
徐々に、生意気な女の子がヒーロー達に心を開き、交流していく。

この笑の成長がこの作品の大きな成長要素であり、非常に丁寧に描かれる。

 

完璧なヒーローたちの活躍と、不完全な主人公の成長、この2つが大きな作品の魅力となっている。

 

中盤までのワクワク感

この作品、中盤までは非常に面白い。

先述したヒーロー達の活躍、主人公の成長、この2つは作品全体を通して魅力的な要素である。

 

それに加えて、キャラの濃い悪役達が作品を盛り上げる。

喋り方が特徴的なオカマキャラ。
強い遺伝子を欲するクレイジー痴女。
主人公のお家にピンポンしちゃう礼儀正しい奴。

そんな個性的な敵キャラ達が登場し、さらに物語を盛り上げる。

さらに、各ヒーロー達も彼らに負けずに活躍していく。

一話につき一人ずつ、焦点があたり彼らの過去や生い立ちを掘り下げながら描かれる物語は純粋に面白かった。

ただし、この作品の面白さはここがピークになってしまう…

 

中盤以降の失速が激しい

中盤以降、この作品の魅力は大きく失われていく。

まず、魅力的だった敵キャラ達。

彼らの扱いが非常に雑だ。
せっかく面白そうなキャラをしているのに、簡単な掘り下げしかなく、大した活躍もせずに消えていくキャラばかりである。

特に、自分が惜しいと感じたのが、敵キャラとヒーロー達の絡みの不足だ。
この敵とこのヒーローとの交流(戦いではない)をもう少し描けていれば…
そういった場面が非常に多いと感じた。

タケシとオカマ。
テッカマンとビッチ(見れば誰のことか分かる)。
このあたりの絡みをもっとしっかり描けていれば、この作品の魅力はもっと大きくなっていただろう。

 

クライマックスを感じられない

更に、中盤以降の物語の微妙なポイントとして、一番大きいのは、ラスボスと主人公のドラマだろう。

今まで発揮されてきたのが昭和の単純明快だからこそ生まれる魅力としたら、このダメな部分は平成の変に凝った人間ドラマの影響だろう。

 

製作者達が描きたいものも、わからなくはない。
しかし、あまりにも冗長であり、設定としても詰めが非常に甘いと感じてしまった。

最終決戦にも関わらず、人間ドラマに固執しすぎたがためにクライマックス感がない。
ショボいのだ。

この作品は言わば日本版アベンジャーズといっても過言ではない。
ヒーローたちが集結し、戦う相手として、男の子としてはもっと大きな規模、強敵と戦ってほしかった。
主人公の成長を描きたいという製作者の気持ちもわからなくはないが…

 

ここから多少のネタバレになるので、見ていない人は飛ばして欲しい。

 

 

父と娘の対立、それを自分自信の思いと力で乗り越えようとするというのは非常に良いテーマだった。
主人公の成長を描くという点では、優秀なテーマ設定だったろう。

しかし、父と子という面を強調しすぎてしまったため、ホームドラマ感が出てしまっている。
この点がこの作品を終盤で残念にしてしまっている大きな原因だろう。

 

 

あともう1クールあれば違ったかもしれない…

中盤までの勢いが続けば、名作と言える作品になったであろう。

しかし、敵キャラとヒーローの描写不足、クライマックスの物足りなさで、全体的に惜しい作品になってしまった。

もう1クールあり、敵キャラとの描写がしっかりとされ、クライマックスへの盛り上げと、ボスを倒した後のさらなる強敵という、陳腐でありふれているが燃える展開があれば、もっと良い作品に化けたかもしれない。

あるいは、2時間ほどの劇場版ならば、クライマックスのショボさや、描写不足などの不満を感じるヒマなく視聴することができたかもしれない。

どちらにしろ、非常に惜しい作品だったと言える。

 


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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