秀逸な演出と、最高のキャラ 「ボス・ベイビー」 レビュー!

      2018/05/30

上映日 2018年3月21日
原作 あかちゃん社長がやってきた
公式サイト http://bossbaby.jp/

あらすじ
ティモシー・テンプルトン(ティム)は自分が7歳の頃に経験した話を語り始めた。
ある日、ティムは思いもかけない光景に遭遇した。
スーツを着た赤ん坊が彼の住む家にやって来たのである。
父親のテッドと母親のジャニスは彼をティムの弟だと言った。ティムは赤ん坊が自分よりも注目されていることに嫉妬心と猜疑心を覚えていた。
そこで、赤ちゃんを観察することにした…

 

評価点数:87点(良作) ★★★★☆

 

ただの良作コメディではない

見た目は赤ちゃん、中身はおっさん。

彼の名はボス。
そんな彼が大活躍するのがこの映画である。

 

予想通り、内容は単純明快なコメディだ。

ボスはベイビー社という赤ちゃんの会社に所属しており、会社の仕事として主人公の家族にやってくる。
その仕事の内容とは、赤ちゃんの人気を子犬から取り戻すことである。

アホらしいあらすじだが、シンプルで分かりやすいストーリーだ。
ストーリーは洋画らしいハイテンポなペース進む。

話の構成、伏線の回収も見事である。
前半に出てきたギャグが、後半の物語を進めるキーワードになったり。
この手の海外の作品を見るたびに、日本の作品でもこれの半分でも良いから伏線回収力があればと思ってしまう。

 

このような洋画として共通する面白さも、この映画は十分に備えている。
しかし、この映画を爆発的に、更に面白くしているのは、二つの要素である。

一つは、ボスというキャラクターの強さ。
もう一つは、物語を描く視点である。

 

赤ちゃんなのに、おっさん

赤ちゃんなのに、おっさん。
この個性的すぎるキャラが、この作品の魅力を大きくあげている。

 

まず、赤ちゃんという要素がなくても、このキャラは面白い。
おっさん、といってもただのおっさんではなく、凄腕ビジネスマンなおっさんだ。

なんでも金で解決しようとするし、部下への指示への言い回しなんかも最高だ。
ムロツヨシの名吹き替えも彼の魅力を大きくあげている。
しかし一番はセリフ回しだろう。

 

そのハイセンスなセリフ回しを感じられるお気に入りのシーンがある。
主人公がボスのオムツしている事実を指摘した際の返答だ。

「宇宙飛行士も、ナスカーのドライバーも皆オムツだ。幼児が排泄に使う時間は何時間か知ってるか?48時間だ。俺はボス。そんな時間がどこにある??」

 

最高の返答だ。
この粋なセリフ回しだけで、十分魅力的なキャラになっている。

 

これに加えて、見た目は非常に可愛らしい赤ちゃん、というのがもうたまらない。

どんなにカッコつけたビジネスマンでも、見た目は非常にプリティーな赤ちゃんなのである。
デフォルメされまくった体系とパーツに、愛おしさを感じない人はいないだろう。

しかも、素晴らしいアニメーションでその可愛さが表現されている。
歩く時にフリフリと揺れるケツ。
大きな目と共にキョロキョロと動く視線。

デフォルメされてはいるものの、動きがリアルなことで、キャラの魅力と作品への没入感をあげている。
流石のドリームワークスのアニメーションである。

 

主人公がボスではない理由

今作品のもう一つの特徴。
それが作品を描く視点である。

今作品の主人公は、目立ちまくるボスではない。
彼の兄であるティムが主人公だ。

これが作品に面白みを与えている。
子供だけでなく、大人が楽しめる作品になっているのもここにある。

 

この作品の主人公は、今まで一人っ子で、親から愛情をたっぷり受けて育ってきた。
しかし、新たな息子としてボスが来た時、今まで一人で受けていた愛情がどんどん赤ちゃんであるボスに注がれていく。

特に、赤ちゃんは非常に時間と手間がかかる存在だ。
今まで主人公が独り占めしていた愛情と時間を、ボスが全て奪っていく。

この主人公の視点から物語が描かれることが、この作品をより面白くしている。

 

主人公が常にボスに対して持つ感情、それは嫉妬である。
これは、兄弟を持った人だけではなく、多くの人が共通して持つ感情である。

特に、自分が独占していたと思っていた愛情や友情が、他人によって奪われる時に感じる嫉妬は誰でも経験したことあるだろう。
だからこそ、この主人公が持つ感情に共感し、応援したくなる。

ただ、先述したようにボスも非常に魅力的なキャラだ。
主人公と同じように、憎むべきボスに対しても愛情を持ってしまう。
だからこそ、この作品のメッセージ、愛情はシェアできるし、増やすことができるというメッセージにも大きく共感できる。

大人を引き込む演出

この視点だけではなく、大人を引き込むために、様々な演出の工夫がある。

まず、作品の年代は現代ではない。
主人公はおもちゃは持っているが、最近のゲーム機器などは登場していない。
丁度、今の親世代が共感できるように、あえてこのような時代背景を描いているのだろう。

 

また、今作品の主人公は、妄想力が非常にたくましい。
ちょっとした日常やおもちゃの遊びも、大冒険の舞台になる。

この時に描かれる妄想世界が、少し昔のアニメ・映画風なのだ(もちろんアメリカ作品なので、日本的表現ではない)。
あからさまなパロディではないので、不快にはならない。
なんとなく懐かしいという感覚である。

この懐かしさを感じさせる演出は、BGMなんかにも使われている。
少し古臭いBGMが使われており、作品の雰囲気を統一している。

 

このような演習によって、ただの子供向け作品ではなく、大人も楽しめる良作ストーリーになっている。

 

少しだけ、不満点が

基本的には素晴らしい映画である。

一つ不満点があるとするなら、終盤の主人公とボスの対立があっさりと終わってしまったところだ。
主人公とボスが喧嘩(最初から仲は悪かったが)してしまい、二人の関係に大きな変化が起きる、物語の重要な部分なのだが、ここがあっさり終わってしまった。

もちろん、ここでgdgdやられてもせっかくのテンポが台無しになってしまうので、この判断はある意味正しかったが、もう少し深いドラマがあっても良かったのではと感じてしまうのは、日本作品を見慣れた大人のダメなところだろう。

 

とりあえずボスを見に行ってくれ

今作品の感想として色々と述べたが、結局のところ一番言いたいのは

 

最高にかわいくて魅力的なボスを見てくれ

 

この一言である。

本当に可愛く、面白く、魅力的なキャラだ。
それを失うことなく、より効果的に見せるために、様々な工夫を凝らされている。

子供だけでなく、大人も楽しめる様々な工夫が凝らされている。
是非、大人も気軽に見に行ってほしい。

 

久しぶりにこうした洋画のアニメーション作品を見たが、やっぱりクオリティが凄く高い。
こうしたハイテンポで面白い作品が、日本からももっとでてほしいものである。

 

 


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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