奇をてらいすぎて、”つまらない”クソアニメに 「ポプテピピック」 レビュー
| 放映時期 | 2018年1月~3月 |
| 原作 | 大川ぶくぶ |
| 公式サイト | http://hoshiiro.jp/ |
あらすじ
特になし。
評価点数:55点 ★★☆☆☆ (視聴可能)
目次
原作は最高のクソ漫画
原作は鬼才、大川ぶくぶが描く4コマ漫画である。
個人的に、この漫画は非常に大好きな作品であった。
この作品、普通のギャグ漫画と違い、ツッコミは不在だ。
というか、明確なボケがない。
どこがボケなのか非常に分かりづらい。
それに加え、コピペ多様の手抜き作画。
マニアックすぎるパロディ。
一言でいえば、クソ漫画である。
しかし、ただのクソ漫画ではない。
”ポプテピピック”という一つのジャンルを作り出している。
自分はクソ漫画ではあるが、この独特な雰囲気の漫画が非常に好きだった。
その作品のアニメ化である。
なにせ原作はクソ漫画、普通にアニメ化しては、クソアニメになるだけである。
原作の雰囲気を上手く取り出すのか、それともアニメオリジナルを打ち込んでくるのか…
非常に楽しみにしていたのだが…
奇をてらいすぎ
この作品を一言で言うならば、「奇をてらった作品」であろう。
演出、構成、全てが奇をてらった作品となっている。
その代表例として、2つほどあげよう。
一つが再放送といわれる構成だ。
普通、TVアニメはAパート、Bパートと別れており、その間にCMが入る形だ。
Aパートで引きを作り、Bパートで話を終わらせるのが一般的な作品。
一方、今作品では、BパートでAパートと全く同じ内容を放送する。
ただ、Aパートは女性声優が女子高生である主人公二人を演じているのだが、Bパートでは、男性声優(かなりベテラン)二人が主人公を演じる。
しかも、毎話AパートもBパートも担当する声優が異なる。
どんな声優がBパートを担当していくのかを具体的に書くと、
大塚芳忠、千葉繁、玄田哲章、神谷明、etc…
見事に大ベテランばかりである。
そんな彼らが、クソ漫画のネタをノリノリで演じる。
中々斬新な演出である。
最初のうちは、自分もこの再放送のノリを楽しむ事ができた。
しかし、これが1クールずっと続くのである。
次第に、同じ内容を2度みせられることに飽きてくる。
また、後半は声優のネタが尽きたのか、ビックネームでない男性声優が登場することもあった。
この演出は話題性もあったし、最初のうちは楽しめたが、結果として最終的な大きなマイナスポイントになってしまった。
もう一つ、これは自分はかなり気に入った演出なのだが、ボブネミミッミという名前のコーナーの存在である。
これはかなり芸術的な作画崩壊(見ようによってはトラウマレベル)な作画で描かれる、ショートコーナーである。
声優も素人の男性二人が行っており、独特な世界観の作品の中でも、更に独創的な時間になっている。
自分はこのコーナーは普通に好きだった。
毎回話の内容は異なるし、紙芝居になったりと、予想外の展開も多く、自分としては本編よりも楽しみなコーナーになっていた。
しかし、かなり人を選ぶ内容だし、相変わらずツッコミは不在なので、好き嫌いはかなり分かれるだろう。
クソアニメを狙っているのはわかる。
ボブネミミッミのような斬新で面白いコーナーは合ったものの、基本的にはクソアニメと言えるだろう。
ストーリーも殆ど存在していない。キャラの説明も殆どなく、パロディも多く、ツッコミも存在しない。
原作からもそうだったのだが、今作品はそれを改善しようとするでもなく、むしろそのクソさを増やそうとしている。
それが先述したような再放送だったり、ボブネミミッミのような形で現れている。
これらのおかげで、ただのクソアニメではなくなった。
唯一無二なクソアニメにはなったろう。
だが、それが面白いかどうかは別である。
前述したように再放送は飽きが来て退屈だったし、手抜きとも思える内容になってしまっている。
クソアニメとして楽しむことができなかった。
そもそも楽しめるクソアニメって…
さっきから楽しめるクソアニメ、という表現をよく使うが、かなり矛盾した表現なのは自分でも分かっている。
しかし、実際に楽しめるクソアニメというのは多く存在している。
そもそもクソアニメの定義というのはなにか。
単純に面白くないアニメ、という定義もあるかもしれないが、自分の中で、それは”つまらないクソアニメ”というカテゴリに属する。
このカテゴリのアニメの一番の特徴として、展開が読めてしまうことである。
テンプレしか存在していないと言えるだろうか。
どこかで見たことあるようなキャラが、どこかで見たことある物語を描く。
見ていて本当に辛いのはこういうアニメだ。
特に、こういったアニメにおいて一番問題だと思うのは、つまらないキャラしかいない場合だ。
王道展開というのは、一歩間違えれば上記のような”つまらないクソアニメ”になりがちだ。
なにせ王道と言われるくらい過去に何度も語られた物語なのだから。
しかし、キャラが面白ければ、展開がクソでも、自分は楽しめる。
そのキャラが面白く動く、その様子を見れるのが非常に楽しいのだ。
そういったキャラもおらず、物語の展開もありきたりなのが、この”つまらないクソアニメ”なのである。
見ていて”楽しめるクソアニメ”というのは、これの真逆である。
常に視聴者の予想を裏切るようなアニメだ。
これが良い方に裏切るアニメは、逆に名作である。
例えば、ミステリーにおける意外な犯人、バトル物における絶望的な状況からの逆転。
これができる作品が名作である。
クソアニメにおける裏切りとは、逆である。
こんな展開にしてしまっていいのか…?
とドン引いてしまう。
しかし、逆に予想できない展開を何度も経験するうちに、このスリル感が癖になり、楽しみなアニメになっていくのである。
また優秀なクソアニメは、脚本とかそういうレベルになる前に、衝撃的な設定やキャラを用意していることもある。
こういうアニメは見ていて非常に楽しい。
ポプテピピックの再放送などは、毎週やってしまった時点で、予想ができる”つまらないクソアニメ”になってしまったのだ。
そもそもアニオリが面白くない
作品の構成として、原作の4コマをそのままアニメ化した内容は面白い。
しかし、アニメオリジナルのギャグはかなり当たり外れが多い。
というかかなりが外れだ。
しかもアニメオリジナルの部分は一つのネタに関して時間が長いので、余計にダレを感じやすい。
パロディをぶちかますのは結構だが、もう少しテンポ良く入れてほしかった。
実験的な取り組みは評価したい
先程紹介した再放送やボブネミミッミ以外にも、様々な取り組みが、このアニメのクソにしている。
フランス語でフランスネタが描かれたり…
フェルト人形が踊るクレイアニメが入れられたり…
今までのアニメにはないある意味先進的(実験的)な取り組みが多数なされている。
これらは常に自分の予想を裏切り続け、非常に面白かった。
こうした取り組みは評価してもよいだろう。
原作には負けるクソアニメ
ネットを中心にかなり話題になったアニメである。
その話題の中心にあった、”クソさ”に関しては、まだまだだと個人的には思う。
また、こうした奇をてらったアニメを受け付けない人には、全くおもしろくない作品だろう。
かなり人を選ぶ上に、作品の完成度自体も高いとは思えない作品だ。
ただ、ボブネミミッミを始めとした実験的なコーナーは評価すべきだと思う。
色んなショートーコーナーが混在したカオスな雰囲気は好きだった。
楽しいクソアニメを見たい人には、こちらの
”カブトボーグ”
をオススメします。
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