ガンダムとしてもSFとしても中途半端 「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」

   

公開時期 2010年9月
原作 なし
公式サイト http://www.gundam00.net/tv/

 

あらすじ
イノベイドを打倒し、アローズも解体され、平和となった世界。
そこに、木星からかつての有人探査線が地球圏に現れる。
撃墜した探査船から降り注いだ破片が地球に落ちる。
その破片からは謎の金属片が検出される。
それは、「来るべき対話」の始まりだった…

 

評価点数:60点 ★★☆☆☆ (視聴可能)

 

ガンダムらしくない映画

今作品は、テレビで放送された機動戦士ガンダム00の正式な続編である。

00は、TVシリーズからかなりガンダム作品の中でも異色な作品ではあった。
かなりSF感の強い作品だったのである。
技術的に段違いな格差、その技術力を基にした世界への宣戦布告、そこで動く各国の政治。
少なくとも1期まではこうした素晴らしいSF描写が作品に存在した。

 

2期でその要素はかなり薄くなったが、今作品では再び復活している。
というより、1期とはかなり異なったアプローチでSF作品となっている。

かなり分かりやすいSF作品になった。
なぜなら、宇宙人が侵略してくるのが今作品のあらすじだからだ。
ハリウッド映画にありがちな、ある意味分かりやすいSF作品となっている。

 

SF映画好きにはおなじみの序盤

本作品の序盤は、SF映画、特にパニック系(宇宙人侵略系)の作品が好きな人には非常に既視感を覚える展開だろう。

宇宙から飛来した物体に宇宙人が寄生しており、それが地球に表れパニックになる。
科学者の分析によって少しずつ正体がわかって…
というまさにSF映画のお手本な展開だ。

ただ、ここで世界の動きが面白く描かれることはなく、本当にハリウッド映画のアメリカ大統領くらいの描写くらいしかされず、基本的にはソレスタルビーイングの面々が描写の基本となる。
散り散りになっていたメンバーが集まり、宇宙人との敵対に向けて少しずつ物語が動いていく感じが面白い。

ここまでは、SF映画としても、ガンダムとしてもそれなりの面白さを持っていた。
しかし、後半に突入すると…

 

地味すぎる宇宙人との戦闘シーン

圧倒的な宇宙人の強さに、ボコボコにされる人類側の描写が続く。

強そうな雰囲気を醸し出した、イノベーターのパイロットもあっさり死亡。
懐かしキャラも登場するが、あっさり死亡。

このあっさりと死んでいく感じは、まさにSF映画だなと思う。
そこにはガンダムとしての、というよりアニメ作品としての面白さはない。
そこに人間ドラマがないからだ。

かといって、SF映画として特別に優れているわけでもない。
作画はすごいが、宇宙人の設定も見たことあるし、描写も悪くはないが圧倒的な恐怖感をもたせるほど上手くはない。

 

つまるところ、地味すぎる。
これは主人公達、ソレスタルビーイングが参入してきても同じだ。
戦闘シーンは一見派手だが、そこに人間ドラマがないため、いまいち盛り上がらない。
アッと驚くような演出もない。

ひたすらに人類がボコられている様子はストレスが溜まるだけだ。

 

感情移入できない戦い

00の登場人物勢揃いで迎える、人類vs宇宙人の最終決戦。
かつてない規模で、ある程度はワクワクしたが、やっぱり宇宙人が強すぎる。
ただ、その強さもある程度予想できる範囲のものだったが。

そして、やはりそこに人間ドラマがほとんどないため、盛り上がらない。
画面は派手だが、内容が薄いため盛り上がらないのだ。
こんなところまでハリウッド映画の悪いところを受け継いでいる。
というよりハリウッド以下だ。

 

ハリウッド映画では、大抵盛り上がるように、宇宙人と人間の因縁が描かれる。
家族が殺されたり、親友が殺されたり…
本作品はそうした描写が殆ど無い。
誰かが死んでもガンスルーである。

だから、宇宙人たちに対して敵意が(視聴者は)持てない。
作中の人物は世界を守るために必死なんだろうが、こっちはそれに感情移入ができないのである。
精々、今までのTVシリーズで生きてたキャラが全滅は嫌だから頑張れ~という感情で、作中(劇場版だけで)でキャラに感情移入することができないのである。

だから画面がどれだけ派手でも盛り上がらない。

 

フラストレーションは溜まったまま

というわけで、対して燃えることができないまま、一方的に人類がボコられる様子をみせられる。

唯一の希望は主人公である刹那と、彼が乗る最新鋭の機体だけだ。
ここで、視聴者はイライラをためながらも、主人公の復活によってこれが解消されるのだろうと期待する。
トップをねらえ!でガンバスターが合体したときのように、主人公が敵を蹴散らして人類を救ってくれるだろうと。

 

だが、残念ながらその思いは裏切られる。

主人公は覚醒しても、殆ど戦闘はしない。
せっかく強そうな新型の機体に乗っても、殆ど活躍しないのだ。
自分はここで大きく萎えてしまった。

確かに、主人公は対話を望んでいた。
しかし、ロボアニメとして、最低でも盛り上がりを作るべきだった。
今までなかったアクション的な盛り上がりを作れる最後のチャンスだったのに…

このセンスの無さは絶望だった。
映画単体としては、お粗末な完成度と言わざる得ない。

最後はテーマの対話が行われるのだが、このシーンも別に深くもなく、特に感動もしない。
前述のように冷やされ続けたテンションではどうな展開でも感動は難しい。

 

ガンダムでSF映画を描く心意気はいいが…

ガンダムシリーズでは珍しく、宇宙人が登場するガチンコのSF映画である。

人間ドラマの描写がメインになりがちなガンダムシリーズにおいて、宇宙人との対話というSFなテーマを描こうとしたその挑戦は評価したい。

 

しかし、肝心のSF的な面白さは皆無だ。

人間ドラマや、宇宙人との因縁が一切描かれなかったことで、何も感情移入ができない。
ハリウッド以下のお粗末なストーリー展開だ。
というより、改めてこの映画を見てハリウッド映画ってすごいなと思ってしまった。
なんとも思わないSF映画でも、ある程度楽しめるようにしっかりと最低限の質を保って作られていることに、感動した。

 

個人的に、00は
1期>>(越えられない壁)>2期>>>>>>>>(劇場版)

といった感じか。
ガンダム作品としても、SF映画としても中途半端なこの映画には心底ガッカリであった。

「楽園追放」では素晴らしいSF映画を作れていたので、水島精二監督もまだこのときは未熟だったのかねぇ…


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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