あの悪夢さえなければ… 「涼宮ハルヒの憂鬱(2期)」 レビュー

   

放送時期 2009年春アニメ
原作 谷川流
公式サイト http://www.kyotoanimation.co.jp/haruhi/

 

あらすじ

「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」
高校入学早々、この突飛な自己紹介をした涼宮ハルヒ。美少女なのだが、その性格・言動は変人そのものであり、クラスの中で孤立していた。
しかし、そんなハルヒに好奇心で話しかけた「ただの人間」である、キョンとだけは会話をするようになる。

 

評価点数:72点 (1期だけだと85点)  ★★★☆☆

 

今回は1期、2期両方のレビューです

一昔前のオタクなら、知らない人はいないだろうアニメである。
少し、この作品はややこしい。

1期と2期があるのだが、これが単純な2期ではない。
1期は時系列をかなりぐちゃぐちゃにシャッフルして14話放送された。
それを時系列に沿って並び替えつつ、間に新規エピソードを追加して28話にして放送したものが2期である。

今回のレビューは、これを分けずに2期を一つの作品としてレビューしたいと思う。

 

序盤、つまり1期の話はさすがの名作

今作品の1期か2期かの見分け方は、OPやEDの違いでわかる。
全話見て改めて思ったのが、1期のほうが圧倒的に作品の完成度が高い。
7,8話くらいまでは、全て1期の話なので、序盤は面白く見れるだろう。
では、どういうところが完成度の高い作品となっている要因なのか。

 

それは、第一話でかなりわかってくる。

冒頭、主人公の独白が長々と始まる。

これ以降、主人公の自己紹介を兼ねた独白から始まるラノベアニメは多くなったが、今作品のそれはやはり今後のテンプレを作った作品だけあって、さすがだ。
全く関係ないような話から、ハルヒの登場によってそれが一気に意味を持つ、素晴らしいプロローグ。

この主人公の絶妙な独白が、今後この作品の面白さを良い感じで形づくっていく。
聞いていて非常に楽しい。
ただ、これは原作の魅力を恩恵として預かっているにすぎない。
では、今作品がアニメとして優れているのはどこか。

それは、構成とテンポの2つだろう。

 

構成、というと、1期の構成は無茶苦茶なのだが(笑)
なんせ時系列が無茶苦茶だからだ。
ある意味、話題作りには適しているだろう。
ただ、現在ハルヒを見るなら、時系列順に整理されている2期から見ることになるので、このマイナス面は関係ないだろう。

構成の素晴らしさ、それは大胆な構成だ。
特に、1期として作られた話では、この大胆さが良い方向に向かっていく。

自分が非常に驚いたのは1話の展開の地味さだ。
この1話で何が起きたか。
主人公のキョンとハルヒが話す程度の関係にはなり、その後SOS団を結成してしまう。
それだけである。

その結成の際にも、困難なことや課題なんかは起きず、スムーズに結成される。
つまり、話の見どころがないのである。

普通、物語の序盤、1話は作品のフックとなる大事なところだが、それをこの平坦な展開にするとは…

ただ、それでも魅力的な内容になっているのはさすがである。
ハルヒとキョンという2人のキャラに焦点を当て、しっかりと描く。
このアニメがハルヒに振り回されるアニメなんだということをしっかりと理解させる。
良い1話だったと思う。

 

次に、アニメとして優れているのが、優秀なテンポだ。
気持ちよいテンポで作品が進んでいく。
見ていてストレスを感じる場面は殆どないだろう。

京アニ作品に共通することだが、日常パートを含め、全てのシーンがテンポよく動いていくため、見ていて非常に気持ちいい作品になっている。
これは、作画をはじめ、様々な点で優秀なスタッフがいる京アニだからこそできる作品だろう。

 

これらは、2期に関しても高いクオリティを保っているが、1期に比べるとどうしても見劣りする。

 

原作からある主人公キョンの独白の魅力、これを支えるのはアニメとしての構成、テンポによる魅力が大きい。
しかし、この主人公の独白はあくまで作品のアクセントであり、魅力の根幹ではない。

やっぱり作品の魅力の根幹をなすのは、キャラなのである。

 

絶妙なキャラのバランス

まずはメインヒロインであるハルヒ。

今後のラノベアニメにおいて、1種のテンプレを作り出したとも言える、圧倒的な個性を持つキャラだ。
電波系であるが、根暗なわけではなく、行動的・明瞭な性格。
無駄にハイスペック。
ただやたら高圧的。

色々と書ける要素を持っているが、このキャラを単純な言葉で表すのは難しい。
様々な要素を持った、本当に複雑なキャラだ。
ただ、彼女の個性の一番は、ヒロインとしての「媚」を一切感じないことだろうか。

ハルヒを一言で言うならば、「ツンデレ」という萌属性が一番近いのだろうが、彼女はツンデレキャラにありがちな「チョロさ」みたいなのを一切感じない。
媚を感じないのだ。
主人公を始め、彼女はどんなキャラにも媚びない。
そこが、彼女を圧倒的な個性を持つキャラとしている要因だろう。

 

一方、ハルヒの周りにいるヒロインは、分かりやすいキャラばかりだ。

ドジっ子ロリ娘、無口キャラ。
分かりやすい萌属性を持っている。
単純に彼女らは可愛いし、萌え(もはや死語)ることができる。

これら個性的なヒロインの影に、男キャラ2人が存在する。
超能力者である小泉、彼も地味なキャラではある。
しかし、彼の地味さはこの個性がバラバラなキャラ達をしっかりと接着する役割を持った人物だ。

また、ヒロインたちに振り回される主人公を、同じ目線でしっかりと解説するサポートキャラとしての役割もある。

 

この作品のキャラ作りで特に優秀なのが、男キャラを含め、これら5人で一つの「SOS団」としてのまとまりが完璧なことだろう。

強力すぎる個性と、ヒロインとして媚びないという特徴を持つがゆえに、簡単に萌えることができないハルヒに代わり、みくるちゃんを始め分かりやすい萌えキャラを置く。

そして個性の暴力で崩れかけるチームを支えるのが小泉、長門の2人。
特に、長門はヒロインでありながら、相棒のような、独特な距離感をもったキャラとして存在し、それがまたキャラの魅力を底上げする。

そして主人公のキョンはツッコミを入れて作品にメリハリを持たせている。

この中心にいるのは、涼宮ハルヒである。
だからこそ、彼女の個性の強さがより際立つし、その彼女とただ一人接点を持つキョンの主人公感が構成される。

 

SFとしても優秀

本作品は学園物ではあるが、同時にSFでもある。

この両立がしっかりとできている。
宇宙人や未来人を登場させてしまうと、一気に学園物ではなくなってしまうはずだが、今作ではそうはならないのだ。

この学園物とSFの素晴らしいミックス具合は他の作品では味わえない独特な魅力を持っている。

 

また、SFとして非常に面白い設定が多い。

統合思念体という、今までの宇宙人像とは違う宇宙人。
彼女らの能力描写は、京アニの高い作画力もあって、非常に魅力的だ。

涼宮ハルヒのミステリアスで、とんでもない能力。
チートとしか言いようがない能力だが、それゆえにこれが魅力ともなる。

 

また、このSF設定が、主人公とハルヒ達SOS団をつなぐ最大の接点となる。
こういう学園モノにありがちな、何で主人公の周りにこんなに美少女が集まるんだ問題を見事に解決している。

 

エンドレス・エイトという悪夢

ここまで、かなり褒めてきたが、本作品の最大の欠点が、2期から追加されたエピソード、「エンドレス・エイト」だ。

 

これは平たく言うと、ループモノな話だ。

ハルヒの能力のせいで、夏休みが終わらず、記憶を消されてループし続けるという話である。
そのループの原因を探し出すべく、奔走するキョン。
というのが簡単なあらすじ。

 

面白そうな話ではある。
話の内容が問題なのではない。

この話、8話ズーッとループされ続ける。
同じ内容が、8話続く。
キョンがデジャブを感じながらも、夏休みのイベントを過ごし、ループしていることに気づき、解決しようとするものの、できずに終わる。

この内容を24分×8見続ける。
拷問である…

 

びっくりするくらい話の内容に差はない。
普通ループモノだったら、主人公が未来を変えようと様々な取り組みが行われ、それが話に面白みを与える。
どうなるのかという、ワクワク感がある。

しかし、今作品は本当に同じことを8回やり続けるので、それがない。

京アニの謎のこだわりで服装だとかカメラワークは違うが…(笑)

 

このエンドレス・エイトのせいで、この作品の評価は大きく下がってしまった。
自分も初見のときは一回ここで視聴を断念した。

これさえなければ、学園SFラノベアニメとして、高い評価な作品となったのに、本当に残念である。

 

今見ても面白いのは間違いない

エンドレス・エイトを除けば、今見ても面白い作品であるのは間違いない。

個性的なキャラ、面白い独白、それを活かすアニメとしての高い実力。

さすが時代を作ったアニメのことはある。
ただ、キャラデザや言葉使い(萌え)が古いのは否定できない。
そこも含めて「味」になっている気もするが。

 

結論から言うと、エンドレス・エイト以外では名作、である。
本当に惜しい作品であった…


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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