ダメ男の嫁、の間違いじゃないか? 「魔法使いの嫁」 レビュー

   

 

放送時期 2017年秋アニメ~2018年冬アニメ
原作 ヤマザキコレ
公式サイト http://mahoyome.jp/

 

あらすじ
生まれつき人ならざるものを見ることができるため他人からも家族からも疎まれ、不幸と孤独にまみれて生きてきた「羽鳥智世」は、自暴自棄となり謎の男が薦めるままイギリスに渡り、闇のオークションに「商品」として身を委ねる。
その会場でチセは人外「エリアス・エインズワース」に落札される。
彼はチセを魔法使いの弟子にし、最終的には自分の嫁にすると告げた。
彼との生活の中で、チセは自身と同様に不幸な境遇の者たちと出会い、彼らの心を救う中で自身の過去とも向き合うようになる。

 

評価点数:62点 ★★☆☆☆ 

 

序盤の圧倒的ワクワク感

人生に絶望した少女が、孤高の魔法使いに買われ、その魔法使いの弟子として、第二の人生を送る。

それがこの作品の簡単なあらすじである。
ファンタジー好きとしては、中々期待できる設定だ。

 

更に、この期待に応えるように、序盤からワクワクできる描写がたくさんだ。
主人公である少女、「チセ」を購入したのは、孤高の魔法使い、「エインズ・ワース」、通称「エリアス」。
彼の頭は悪魔のような姿だが、ローブを身にまとい、紳士的に話すその姿には不気味さと同時にミステリアスな魅力を感じる。

彼が住む家はブリテンの片田舎にあり、その背景も素晴らしい。
いかにもな、森、家、登場人物。
それらが美しい映像で描かれる。

 

そして、なぜ主人公である少女チセが、人生に絶望し、魔法使いに買われる運命になったのか。
それが1話の後半で明らかにされる。

彼女は妖精に好かれる特異体質である。
ただ、好かれる妖精が、皆本人や周囲の人を幸せにするとは限らない。
それゆえ、彼女の周りは不幸が多く、親戚の家をたらい回しにされてきたのだ。

そんな彼女を、魔法使いは特別扱いせず、極普通に接する。
なぜなら、彼自身も人間社会から外れた別の「生き物」であり、チセに恐怖や差別を抱かない。
そんな魔法使いにチセは少しずつ心を開く。

少女×人外の、王道ラブストーリーが今始まる…

 

 

そう思っていた時期が私にもありました(泣)

 

ヘタレ糞旦那が全てをぶち壊す

主人公である、チセ。

彼女は良いキャラだ。
少し暗すぎる場面もあるが、過去を思えば仕方ないものだし、主人公らしい、話を動かす力を持っている。
勇気と知恵で、人を救い、仲間を増やしていく。

だが時には少女らしく悩み、傷づく。
そこから、周囲の大人達の助けを借りつつ、しっかりと自分で成長し、解決していく姿はまさに主人公の鏡だ。

おまけに可愛い。(重要)
良いことづくめな主人公である。

そんな彼女の旦那になる人物であり、師匠であり、第二の主人公である、魔法使い「エリアス」。
彼がこの作品の魅力を大きく下げる原因である。

 

彼の欠点を一言で言えば、「全く頼りないこと」だ。

序盤では強キャラ感がすごい。
人嫌いではあるが、優れた魔法使いと噂され、その異形な姿と落ち着いた物腰からは、何千年も生きた魔法使いの凄みを感じれる。

妖精にさらわれそうになったチセを助けに来たりと、1,2話の段階では活躍していた。
しかし、それは本当に序盤だけである。

 

まず、「チセは僕が守る!」的なことを言っておきながら、ほぼ全て守りきれてない。

大抵、さらわれたり、怪我させたりと、害から未然に防いだことがない。
1回だけ、ではなく、同じようなミスを何度も彼はする。

 

では、今作品はピンチになったチセをコブラのようにかっこよく救う作品なのかといえば、そうではない。

ピンチになったチセは、基本的に自分で解決してしまう。
エインズは、黙って見たり、大物感を出しながら助言をしているだけである。

酷いときには助けに来て逆にチセに助けられることもあった。
全く彼をカッコいいと思うところがない。
THE・無能だ。

しかも、大分序盤からチセは魔法を使ったりなど、無茶ができない体であることが判明する。
それにもかかわらず、チセをピンチにし、それをほぼ全部負担させ、素知らぬ顔で居続けるエリアスには憎しみしかわかない。

 

これがギャグ作品や、そういったダメな魔法使いをサポートする少女の奮闘記ならば納得できる作品だ。
しかし、今作品は先述したように、エリアスは優れた魔法使いとして設定されている。

ここのギャップの激しさが一番の矛盾であり、ここに矛盾を感じて見ていて世界に没頭できない。

物語の主軸である、チセとエリアスの交流にも、感情移入ができないのである。
こんな無能に、なぜチセが惚れる、任せられる…
そういう疑問が生まれていしまう。

 

主人公との絡みの魅せ方は非常に巧みなのだが…

チセとエリアスの交流の魅せ方は、かなり巧みだ。

過去の生い立ちから、自己評価を低くし、自己犠牲で他者を救って自己の価値を少しでも向上しようとするチセ。
だからついつい自分を顧みずに無茶ばかりしてしまう。

そんな彼女に振り回されていくうちに、少しずつ人間らしい感情を持ちはじめるエリアス。
たが、初めてのこの感情にどう対処していいかわからず、子供のような感情を出してしまう。

 

この2人の日常パートでの掛け合いは素晴らしい。
お互いの過去のエピソードから、依存してしまうような関係性を作り出す。
そして物語が進むと、その依存性をも問題にしていく。

たが、この素晴らしい掛け合いも先述したエリアスの頼りなさで台無しになる。

まず、エリアス自身に魅力を感じない。
主人公であるチセが惚れるのは納得できる描写がある。
今まで認めてくれない社会で生きてきた中で、初めて認めてもらえた相手だからだ。
しかし、だからこそ依存になってしまっている。
このことは作中でも問題になっているし、チセもそこから脱却しようと努力している。

ここで、エリアスも脱却できるように努力や結果を見せなければいけないのだが、彼にはそれがない。

おまけに、使えないくせに子供のようにスネたりするから、クソ面倒な男に成り下がっている。

彼には社交性が殆どないのだ。
そのくせ実力もないのだから、益々ストレスがたまっていく。

 

そんな彼を周りの登場人物が助けていく(チセ含む)。

もう、エリアスがヒロインである。
しかも、嫌なヒロインだ。
足を引っ張るばかりで、主人公に殆ど何も与えない。

 

他のサブキャラは良いキャラばかり

一方、エリアスを除くキャラは全員良いキャラをしている。

魔法使いを嫌う、魔術師の師弟。
エリアスの師匠であり、ドラゴンの管理者。
チセの忠実な守護霊。
無口な座敷わらし。

全員個性的であり、そこにファンタジー要素もしっかりと存在している。

彼らはエリアスとは対照的に有能で、チセの良き助け人だ。
彼女のことを見守っている。

ほかキャラがよいばかりになおさらエリアスの無能さにイライラしてしまうのだが…

 

圧巻の世界観

今作品で一番優れているのは、素晴らしい世界観を良質な作画で丁寧に描いていることだろう。

魔法、妖精、ドラゴン。
そんなのが共存している素敵なファンタジー世界を、完璧に表現している。

こうした世界観の描写をするときにありがちなのが、設定の描写に力を入れすぎて、ストーリーのテンポが悪くなることだが、今作品はそれはあまりない。
世界観の描写のシーンを、上手く主人公の成長などのイベントに関係づけることで、ストーリー進行と両立を果たしている。

多少、主人公の内面描写や、魔法の描写がクドイと感じることもあるが、美しい作画によって描かれているので、そこまでストレスはない

今作品のストレスはやっぱりエリアスの無能さにあr(ry

 

全て優秀なのに…

世界観、ストーリー、テーマ、キャラ。
全てが非常に高いクオリティを持っている。

だが、エリアスの無能っぷりによって、全てがぶち壊されている。
たった一人のキャラがダメなだけで、こうも作品の魅了は変わるのだと実感してしまった。

もう少し、エリアスがカッコいい場面があれば、優れたところがあれば。
この作品の評価は大きく変わっていただろう。
非常に残念だ。

 

もう一つ欠点をあげるとすれば、テンポが少し遅いことだろうか。
主人公の感情描写などが丁寧なことは良いが、戦闘シーンなどはもう少しハイテンポのほうが魅力的だと感じた。

 

全く見れない駄作というわけではないし、世界観を始め良いところは多い。
ファンタジーなアニメを見たいときに候補に入れてみるのは良いだろう。
ただし、オススメはしない。


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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