名馬たちを知るには良いアニメだが… 「ウマ娘 プリティーダービー」 レビュー

   

 

放送時期 2018年春アニメ
原作 Cygames
公式サイト http://anime-umamusume.jp/

あらすじ
これは異世界から受け継いだ輝かしい名前と競走能力を持つ “ウマ娘”が遠い昔から人類と共存してきた世界の物語。
田舎から都会のトレセン学園に転校してきたウマ娘・ スペシャルウィークは、チームメイトたちと切磋琢磨しながら「日本一のウマ娘」の称号をかけて <トゥインクル・シリーズ>での勝利をめざす!

 

評価点数 63点 ★★★☆☆ 

 

競馬ファンなら楽しめる作品

本作品は、「ウマ娘」と言われるウマのような女の子(しっぽと耳が生えている)が、競馬場で実際の競馬のようにレースを行うアニメである。

そのウマ娘の名前は、トウカイテイオー、メジロマックイーン、オグリキャップ、ゴールドシップ、etc…。

名だたる名馬の名前がずらりだ。
このラインナップに興奮できる人は、かなり楽しめるのではないだろうか。

自分自身はそこまでの競馬ファンではなかったが、知ってる馬が元ネタのウマ娘はやはり魅力的に思えたし、逆にこのアニメをきっかけに現実の馬のストーリーを追ったりして、更に競馬が好きになった。

ただ、アニメ単体として見ると、まだまだな部分もある。

 

インパクト不足なキャラ、エピソード

本作品の主役はスペシャルウィークと言うウマ娘。
彼女は実に主人公らしい主人公だ。

努力家で、真っ直ぐな性格。
しかし、少しドジなところもあり、そこが愛らしい。

そんな彼女が「日本一のウマ娘になる」という目標に向かっていくのが本作品の基本的なストーリーだ。

 

決して悪くない主人公である。
しかし、別に良いキャラでもない。

主人公としては少しパンチに欠けるキャラなのである。

この主人公なら何かするのでは、何かあるのでは、といったワクワク感を感じられなかった。
また、難しい描写だとは思うが、やはり主人公なのだから、特別な能力がほしい(別に超能力とかではなく)。

 

もちろん、あまりにも突拍子な個性をつけたり、能力をつけると、元の競走馬とは大きく離れたものになったしまう。
そういった意味で、アニメとしては今作品は大きな制限を受けているのは分かるが…

 

折角、美少女が競走馬の代わりに走る、というトンデモ設定なアニメなのだから、イナズマイレブンくらいはっちゃけた能力や試合描写にしても良かったはずだ。

そういった、アニメとしての面白さが今作品には少ない。

 

様々な点でインパクト不足

ただ、ストーリーが悪いわけでは決して無い。

主人公を始め、チームスピカや主人公のライバルたちのキャラはよく描けているし、それぞれのキャラが絡む場面もしっかりと用意されている。

 

ただ、強烈なエピソードがない。

表面的にきれいなストーリーとなっているが、心に響くような素晴らしいエピソードにはなりきれていない。

 

この原因としては2つあると考える。

一つはキャラの個性と、それを深掘りできなかった尺の都合だ。

一見、個性的そうなキャラが沢山いる。
しかし、そのキャラたちの個性がギャグやちょっとしたエピソードでしか表現されていない。

なぜなら、彼女たちを掘り下げる尺がないからだ。
そしてメインとして多くの時間を割いて掘り下げられる主人公と、その先輩であるサイレンススズカは、キャラとしては面白味にかけている。

だからエピソードに面白さが少ない。

サブキャラにはゴールドシップなど、面白そうなキャラが多かったのに、彼女らに焦点が当たらなかったのは非常に残念だった。

 

もう一つが、世界観の問題だ。

 

現実世界の競走馬の世界は非常に厳しい。

勝って有名になれる馬はほんの一握りだし、故障がひどければ殺処分だ。
そんな厳しい世界の中だからこそ、ドラマが生まれるし、盛り上がりもある。

仕方ないことだが、今作品は美少女モノなだけあって、世界観全体にほんわかした雰囲気が漂っている。
緊張感が少ない。

だからこそ、余計に盛り上がるエピソードを入れれないのだろう。
美少女が殺処分になったり、地方に売り飛ばされたりするような過激な世界にするのはなかなか難しいのはわかっているが、それならば何か別の方法で彼女達の中に緊張感を持たせなければ、エピソードに深みが生まれない。

それさえできていれば、作品に緊張感が生まれ、より良いエピソードが描けていただろうに、残念だ。

 

話の規模感が分かりにくい

熱心な競馬ファンなら、
「エルコンドルパサーとスペシャルウィークが東京ダービーで対戦する」
というワードで、燃え上がることは間違いないだろう。

しかし、競馬ファンでなければ、この対戦がどれだけ凄いかは分からない。
かくいう自分も、ダービーの凄さはわかっていたが、エルコンドルパサーの凄さはしっかりと分かっていなかったので、対戦の盛り上がりが実感できなかった。

ここが、この作品の最大の弱点だと思う。

 

盛り上がりどころがよく分からないのだ。

ドラゴンボールの天下一武道会、NARUTOの中忍試験、HUNTERXHUNTERのハンター試験。
名作には、主人公がこれから挑戦する舞台がどれだけ凄いのか、そういったものをしっかりと打ち出している。

そこに挑戦する主人公の現状、並み居るライバル達の凄さ(強さ)。
そういったものをしっかりと描写しなければ、視聴者はワクワクできない。

 

今作品はそれが全くできていない。

ダービーをはじめ、G1がどういうレースなのか。
不敗であるエルコンドルパサーの凄さ(競馬の世界で不敗というのは滅多にいない)。
そういったものをこの作品は描写することができていなかった。

だから、(競馬を知らない)視聴者は盛り上がることができない。
これがこの作品の一番大きな欠点だ。

熱いドラマが繰り広げられていても、視聴者はそれに完璧に感情移入することができない。
非常に惜しい作品となってしまった。

 

色々惜しい作品ではあるが、

このように、名作とはなり得なかった作品だ。

しかし、p.a.worksの作画は高クオリティだし、キャラは可愛い。
テンポも良いし、アニメとしての作品の完成度は低くない。

これをきっかけに競馬に興味を持ってみるのに非常に良い作品ではないだろうか。
気軽に見て、気に入ったキャラが入れば、そのキャラの現実の過去のエピソードをwikiなんかで見てみると、面白いだろう。

個人的に、非常に気に入った記事がある。
本作品のメインキャラ、サイレンススズカの一生を紹介した記事だ。
文の書き方といい、構成といい、非常に高いクオリティなのでぜひ読んで見てほしい。

アニメウマ娘の視聴者に送る、サイレンススズカの史実

 

こんな風に、実際の名馬のことを少しでも知ってから見たら、また違って見えるだろう。
こういった楽しみがあるのは、このアニメならではないのだろうか。

色々と駄目だしをしてしまったが、好きなタイプのアニメであったことは間違いない。
競馬ファンの人なら尚更、そうじゃない人も、競馬の世界に入門に、オススメできるアニメではあるのかなと思います。

 


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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