いい意味で予想通り 劇場版「Fate/stay night Heaven's Feel Ⅱ lost butterfly」

   

公開日 2019年1月12日
原作 奈須きのこ
公式サイト https://www.fate-sn.com/

あらすじ
正体不明の影に襲われ、セイバーを失った士郎。
遠坂と協力しながら、影の正体を明らかにすべく、行動する。

評価点数:90点 ★★★★★

 

予想通りと言ったら予想通り

本作品は、超有名エロゲー(という認識をしている人はもう少ないだろうが)、Fateの桜ルートを劇場アニメ化したもの。
全3章で構成されており、本作品はその第2章。
第1章はこちらでレビューしているのでよろしければどうぞ。

 

前作は期待していなかったにもかかわらず、映像化された型月作品の中でぶっちぎりで好きな作品となるくらい面白く、うれしい裏切りであった。

 

その続編となる本作品だが、結論から言えば、前作とは違い、予想通りな作品、という感想になる。
こう書くと、不出来な作品のように思われるが、そういうわけではない。
ただ、前作でハードルが上がりすぎていただけなのだ。

そのハードルを、大きく超すわけでもなく、下回ることもなく、我々が見たいクオリティのものを見せてくれた。
だから、「良い意味での予想通り」というわけである。

 

というか、今作品はあくまで最終章への布石であり、つなぎである。

全3章という構成を考えたら、盛り上がりすぎず、かといって視聴者を飽きさせない、絶妙なクオリティが今作品には必要とされる。
そこに関しては、この作品は完璧な作品といえるだろう。

 

素晴らしい感情表現

前作から引き続き、今作品で最も素晴らしかったのは、キャラの感情表現だ。

ただ単に、キャラの表情をぬるぬる描写するだけではない。
体の動き、天候などの周りの環境の変化。
そして、音楽。

こうしたアニメとして使える要素をすべて使い、キャラの感情を表現しようとしている。

 

さらに、今作品はこの演出のメリハリが素晴らしい。

常に音楽や作画を派手にしたシーンばかりではない。
静かに伝えるシーンは、表情だけだったり、カメラワークだけだったりと、あえて地味な演出を随所に盛り込んでいる。

こうした地味なシーンがあるからこそ、ここぞという時の演出が活きるのだ。

とにかく、桜ファンならば、序盤のクライマックスである士郎と桜の雨の中でのシーンは、必見である。

 

前作でもそうだが、今作品はあえて言葉は少なくし、動画としてキャラの魅力を伝えようとしている。
セリフが多すぎて、冗長になり、ダレてしまったUBW版と違い、今作品は名シーンをダレることなく、原作と同じくらいの感動を味わうことができる。

 

相変わらず愛があふれるオリジナルシーン

今作品も、オリジナルシーンがいくつか挿入されている。

前作では、桜と士郎の出会いを冒頭に持ってくるという、大胆だがファンなら感動せざる得ないオリジナルシーンの挿入だった。
本作品も、前作に引き続き期待に応える素晴らしいシーンをいくつも挿入してくれた。

 

その中で、自分が一番感動したのは藤ねえとイリヤのシーンである。

藤ねえは、今までのfateという作品での立ち位置としては、明るいギャグキャラとして描かれるのがほとんどであった。
しかし、今作品のオリジナルシーンでは、桜へのアドバイスから、士郎を見守ってきた、姉としての母性的なキャラを感じることができる。
それと同時に、まだ幼い時の、高校生の時から見た切嗣への思いを吐露することで、彼女も、士郎よりも少しだけ大人な目線で彼を見つめていた少女であったことを示唆する。

そして、それを陰から見るイリヤ。
今作品では、まだイリヤに踏み込んだシーンは描写されなかったが、今後の展開のための布石にもなる素晴らしいシーンであった。
(超絶かわいい女子高生姿の藤ねえにも注目)

 

これだけでなく、アーチャーの戦闘シーンや凛との絡みを増やしたり、ギルガメッシュの露出シーンが大幅に向上したり(といっても元が少なすぎるのでわずかだったが)、原作のファンならニヤリとしてしまうシーンを我々に見せてくれた。

相変わらず、原作への愛にあふれた素晴らしいオリジナルシーンの連続である。

 

素晴らしい映像化

桜ルート(というより、原作全般に共通することだが)、奈須きのこのオリジナリティあふれるシーンが多い。

代表的なのが、桜の捕食シーンだろう。

ひらがな連発のあの不思議なシーンを、今作品は見事に映像化している

不気味さと可愛らしさを兼ね合わせた独特な映像になっている。
後日友人から聞いたのだが、画面に登場する動物やキャラが、吸収されたサーヴァントをあらわしていたりと、なかなか演出として凝っているらしい(自分は初見では気がつかなかった)。

今作品はこうした奈須きのこの地の文章を、うまく映像やセリフに落とし込んでいる。
地味ながら、いい仕事をしている映画である。

 

唯一の引っ掛かりは戦闘シーン

基本的に、今作品に関して不満はほとんどない。

唯一、不満というわけではないが、引っ掛かったのは、戦闘シーンに関してである。

今作品のメインの戦闘シーンは、バーサーカーとセイバーオルタとの戦闘だ。
ここでの戦闘が、とてつもなく大迫力であった。

際限なくだされるエクスカリバーは、ドラゴンボールもびっくりなビームと爆発を起こす、対城とかいうレベルではない規模であった。
それを何度も受けても立ち上がるバーサーカーのカッコよさにはしびれたが、ちょっと迫力がありすぎて引いてしまった…

 

個人的には、前作のランサーとアサシンの戦いくらいの非人間がぶつかり合うバトルが好きだった。
まぁ、セイバーオルタとバーサーカーはどちらも化け物であるから、今作品の爆発だらけの戦闘でも不思議ではないのは納得できるが…

これは、個人的な感想なので、もちろん世間の評価として肯定的な意見がほとんどである。
自分も戦闘シーンの質自体は、相変わらずの超高クオリティであったので、大満足であった。

 

変わらずのクオリティで安心

最後に少し小言を言ってしまったが、別に減点するほどの不満があるわけではなかった。

今作品も、前作に続いて非常に楽しむことができた。
原作ファンなら、絶対に見に行くべき作品であることは変わらない。

しかし、一抹の不安として、第3章の密度が気になるのである。
今作品でここまでしかアニメ化しなかったということは、詰込みすぎにならないであろうか…

ただ、ここまで素晴らしいものを作ってくれたスタッフたちなら、第3章も名作になると信じて、来年の春まで待っていたいと思う。


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ビッテンk

ビッテンk

熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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