「君のせい」なアニメ 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」 レビュー!

      2019/05/01

放送時期 2018年秋アニメ
原作 鴨志田一
公式サイト https://ao-buta.com/tv/?innerlink

あらすじ
峰ヶ原高校の2年生・梓川咲太は、ある日、図書館でバニーガールと出会う。その正体は、咲太と同じ高校の3年生で活動休止中の国民的女優、桜島麻衣だった。周囲からひと際目立つ麻衣だが、何故か彼女の姿は周囲の人間には見えていなかった…

 

評価点数:85点 ★★★★☆

 

「君のせい」なアニメ

自分がこのアニメの第一話を見たとき、一番印象に残ったのは、OPであった。
「君のせい」を連呼するイントロから始まるこのOPに、少し笑ってしまった。
最初は、印象に残る曲だなぁとしか思っていなかったこの曲。

しかし、本編を見続けていくと、このアニメを表す曲としてぴったりだと思えるようになる。

今作品は、「君のせい」なアニメ、と言える。
これはつまりどういうことか。

主人公とヒロインの関係によって、物語が進む作品ということだ。
ヒロインにとっても、主人公にとっても、「君のせい」で物語が進んでいく。

何を当たり前のことを、と仰るだろうが、これが出来てるアニメは意外に少ない。
しっかりと時間をかけてキャラの内面を描写しなければならないし、物語を能動的に動かす主人公が活躍しなければ、これは不可能である。

これが出来ていない例として、自分が考えるのが「不出来な異世界転生モノ」である。

「不出来な異世界転生モノ」は、主人公は設定や世界観、偶々起きた事象の流れに身を任せるだけ。
ヒロインも、そんな流されているだけの主人公をなぜか好きになる。
だから主人公にもヒロインにも魅力がなくなり、結局面白いのはあらすじだけ。
そんな悲惨な作品は少なくない。

 

しかし、今作品は違う。
たった1クールながらに、しっかりとキャラを描き、彼らを交流させ、物語を動かしている。

しかも、驚くべきことに、今作品は3話で1人のヒロインとのエピソードを終わらせ、1クールの中に4人分のエピソードを盛り込んでいる。
たった3話しかないなかで、どのようにして魅力的な関係を描き、「君のせい」な物語にしていったのだろうか。

まず、その勝因の1つに、設定の上手さがある。

 

思春期症候群

本作品の特徴的な設定は、思春期症候群と言われる設定だ。
これは、思春期の少年少女にしか発症しない病気であり、その症状は様々だ。

例えば、最初のヒロイン、桜島麻衣の思春期症候群は、存在が認知されなくなるという症状だ。
だから、超人気女優にも関わらず、バニーガール姿になって出歩く。
周りから認知されて欲しいがために。

他にも、人格が分裂して2人になったヒロインがいたり、ループ現象を引き起こすヒロインがいたり...

こうした突飛な設定は物語に視聴者を引きつけるフックとして非常に優秀である。

 

ただ、この作品の思春期症候群という設定は、ただのフックで終わっていない。

まず、主人公自身もこの思春期症候群にかかった経験がある。
だから、作中の中で唯一、思春期症候群の症例を感知できる(例えば、見えない存在が見える)。
これは、ヒロインと主人公の関係の導入として非常にスムーズである。

時間をかけてしまいがちな物語の導入が、かなり短略化できる。

 

さらに、設定の優れているところは、そのままヒロインの内面描写へと繋げられることだ。

思春期症候群の症例は、ヒロインのコンプレックスや悩みと直結している。
だから、内面描写を視覚的に行うことができるのだ。
そして、主人公が症候群を治そうとすることで、そのままヒロインの内面に踏み込む関係性を作ることができる。

思春期症候群という設定は、物語のスムーズな流れと、内面描写によるキャラの深掘り、その両方を行うことができる優秀な設定なのだ。

 

物語を動かす存在

では、今作品の主人公は、この思春期症候群という設定に振り回される、頼りない主人公なのだろうか。

始めに関していえば、そうである。

平和な学園生活を送っていた主人公は、思春期症候群の症状を感知できてしまうがゆえに、トラブルに巻き込まれる。
バニーガールで歩き回る憧れの先輩を見て、思わず声をかけてしまう。

最初は、主人公にとっては、「君(ヒロイン)のせい」で面倒ごとに巻き込まれた、という始まり方だ。

 

しかし、そのまま成り行きでヒロインを助けるのではない。

自分も同じように世間から認められない病気(思春期症候群)を持ち、共感できるからこそ、ヒロインの助けになってやりたいと思う。
彼女を救うために、行動しようと考える。

そして、彼のすごいところは、どんなことでも本当に行動してしまうことだ。
思春期症候群という、世間から隔離された経験を持つ主人公だからこそ、しがらみから解き放たれ、真正面からヒロインのコンプレックスに向き合い、思春期症候群を治療するために奔走する。

その様子は、男から見てもカッコいい、と思ってしまうほどカッコいい。

 

そんな主人公を見て、ヒロインの心は揺れ動く。

一時は解決したかのように見えた症状が悪化することもある。
それは、主人公に恋してしまったからだ。

今までは自分に内在していた原因が、「君(主人公)のせい」になっていく。
そして、そのことに、主人公とヒロインが一緒になって解決に向かう。
ここでのドラマが、非常に面白い。

 

主人公が行動し、人の心を動かすことで、ドラマが生まれ、物語に魅力を生じさせる。
これは、すべて物語の中心にいる主人公が、しっかりしているからだ。

今作品の主人公は飄々とした人物だが、立派に「主人公」という役を果たしているといえるだろう。

 

魅力的なヒロインたち。

主人公について熱く語ってしまったが、ヒロインたちの魅力も忘れてはならない。

今作品、外れヒロインがいない。
全員かわいい。

キャラデザが優秀というのもあるが、やはりしっかりとキャラを深堀りできているのが大きいだろう。
青春症候群の原因となるコンプレックスや悩みは、異常なものではなく、思春期の少年少女ならば、一度は思う悩みだ。

本当の自分を出して友達からハブられるのが怖い、歪んだ自分を受け入れられず、自身が持てない。
そんな、大人目線から見れば、甘酸っぱい、でも当人たちには必死な悩み。
これを少女たちが一生懸命悩んでいる。

こんなふうに悩む少女たちに、共感できないわけがない。
そして、少女たちに感情移入している中で、颯爽と現れ、少女を救う主人公を見てしまうと、ヒロインが彼に恋してしまうのもよくわかってしまう。

ここまできたら、ヒロインたちの魅力が下がることはない。
恋する彼女たちの、一喜一憂する言動に萌える。
素直に豚になれてしまう。

 

あと、今作品はラノベアニメではあるものの、ラノベらしいぶっ飛んだ設定のヒロインはいない。
割と普通な女の子が多く、だからスムーズに感情移入ができるのだろう。

激しいツンデレ女子や、癖が強すぎるキャラに疲れている人には安心して可愛いと思えるヒロインが多いと思う。

 

最強のメインヒロイン

今作の最初のヒロインにして、メインヒロイン。
それが、西条麻衣である。

今作品のようなヒロインが複数いるアニメでは、後半、どうしてもメインヒロインの影が薄くなってしまう。

こういう作品では、ほかのヒロインの物語の時、主人公はほぼ浮気に近いことをしたり、そのヒロインといい関係になったりする。
それをメインヒロインに明確に認知させてしまっては、物語を進ませるのが難しくなってしまう。
だから、普通の作品では、主人公が別のヒロインのルートに入ってる間は、メインヒロインがあまり描写されず、結果として空気になるのだ。

しかし、今作はそうはならない。
西条麻衣は常に存在感を発揮しており、作中で主人公のパートナーのポジションを一貫している。
なぜ、こんなことが可能かと言えば、彼女が「大人」なヒロインだからだ。

実際、主人公よりも年上の先輩キャラであるが、そうした年齢的な意味だけでなく、行動を含め、彼女は「大人」なのである。

まず、普通の女の子なら、浮気と言ったり、嫉妬したりする場面でも、彼女は冷静に事態を受け止め、主人公が行おうとしていることが正しいことなら、それを応援する。
自分の感情だけで動くのではなく、自分が愛する人は、こういうことをする人だ、すべき人だ、というのをしっかりと理解し、応援する。

「できた女性」という言葉がぴったりなのだろうか。
とにかく、ただ可愛いだけでなく、人間としての魅力がしっかりと存在する。
だから、他のヒロインのルートの中でも、彼女はしっかりと主人公と絡むことができるし、存在感を放つことができる。

 

もちろん、ヒロインとしての魅力もしっかりと備わっている。

上記のような要素だけだと、理性的で、少し遠い存在な感じもするだろう。
しかし、麻衣先輩は違う。
上手に主人公に甘えてくるのだ。

例えば、主人公がほかのヒロインと交流している場面では、嫉妬はしっかり見せる。
この嫉妬の表し方が非常にうまい。
世の中には、いきなり主人公に暴力行為をふるうヒロインも多く存在するが、彼女は違う。
主人公のことを応援しつつも、しっかりと自分のことも(後で)構ってよとアピールする。
これが非常に可愛い。

それだけでなく、主人公が麻衣先輩のことにサプライズで何かしたり、寂しさを察知してアプローチしたりすると、しっかりと照れてくれる。
こうした女の子らしいところも、しっかりと見せてくれるのが可愛い。

 

久しぶりに良いラブコメアニメ

設定をうまく活かして、しっかりとキャラを描写することで、上質な恋愛ドラマが描かれた作品である。
可愛いヒロインに、素直に豚になって、萌えることができた。

1つ、文句があるとすれば、主人公のセリフがラノベ臭いところだろうか。
我慢できないほどではないが、そういうセリフで少し冷めてしまうのが…

しかし、クオリティの高い、誰にでもお勧めできる良作ラノベアニメであったのは間違いない。
ただ、若干中途半端なところで終わっているところが残念か。

公開予定の劇場作品で、綺麗に完結することを期待している。


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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