どうしてこうなった…。。。アニメ版「うたわれるもの~偽りの仮面~」レビュー

      2017/01/25

うたわれるもの 偽りの仮面 Blu-ray BOX 上巻

放送時期 2015年10月~2016年3月(全25話)
原作 アクアプラス「うたわれるもの~偽りの仮面~」
公式HP http://utawarerumono.jp/

青年は気が付くと、テントの中で少女に介抱されていた。
記憶を失った青年に、少女~クオン~は「ハク」という名前をつける。
行くあてのない青年は、動物の耳やしっぽを持つ不思議な少女の旅に同行し、やがて天下を巡る騒乱に巻き込まれていく…。

評価得点:★★☆☆☆ 59点(凡作)

※ ネタバレ有につき、ご注意の上お読み下さい。

 

世界観が最大の武器だが…

話の原則に冒険譚のようなワクワク・ドキドキが散りばめられているので、序盤は純粋な高揚感に満ちあふれ、世界観で楽しめると思う。

純和風で未開拓な世界は、これからどんな冒険が繰り広げられるのかという新鮮さに満ちている。
これが恐らく、本作最大の武器だろう。
未開拓な世界における旅の物語は、それだけで盛り上がるものがある。

 

中盤からは、時代劇のようなドタバタコメディが繰り広げられる。
女性陣が勢ぞろいし、それぞれの個性を前回にして動く中盤は序盤のような高揚感はないものの、それなりに安定してみることができる。

そして後半に入ると、大河ロマンが色濃く出てくる。
軍勢と軍勢のぶつかり合いに陰謀が入り乱れる様は、相応の期待値を抱かせてくれるが……。

 

……まあ、問題はこの終盤だろう。

 

原作に欠点を補修しつつも、改悪が目立つ

さて、ここからはネタバレ有だ。

総じて原作と同じような話の流れではあるが、細部が色々と異なるし、省略されたエピソードも多い。
それによって良い面も悪い面もあるが、どちらかといえば特に終盤に悪い面が目立ってしまったといえるだろう。

 

ハクのキャラクター性は中盤までは活きるが…

アニメ版の一番のウリとなるのは、主人公であるハクだろう。

原作ではハクの視点で物語が進むため、このキャラクターの魅力が中々にわかりづらい。
ハクの周囲に人が寄ってくる理由も、ハクがオシュトルに評価される理由も、なんだかぱっとしない。

 

のだが、アニメ版を見れば、このハクというキャラクターのよさがよくわかる。
面倒臭がりで怠け者というクズ要素に、やるときはやるという決断力や行動力がうまくマッチされ、実に魅力的だ。
これは表現方法の違いで、ハクの視点で物語が進むゲームでは表現の難しい、アニメだからこそ上手く描けた内容だ。

 

……中盤まではね(*´Д`)

 

後半からは、ハクの描写がゲーム版と少し変わって来る。
大河ロマン・戦争パートに入ったあたりから、彼がこの物語最大の癌になってしまうのだ。

 

突っ込みどころが多く、運任せの要素も…

このアニメ版は「マジメに見ると突っ込みどころが多い」作品だ。

特に前述のとおり、敵国との戦がはじまってハクが色々活躍するようになると、この違和感は顕著だ。
ゲーム版ではまだ主体的に見えたハクも、このアニメ版では戦争という要素にたじろくシーンが多く(それだけハクの人間性に踏み込めているとも言えるが)、判断力や計略性を感じない。
どちらかといえば主体的に戦争に参加するのは仲間であり、ハクの行動は「結果的にラッキー」という要素が多い。

大河ロマンを表現する上でこの要素は大きい。
ハクに軍師的な戦略性があれば、この物語の後半はもっと盛り上がっていただろう。
結果オーライでなんとなく上手くいくハクが、物語のテンションを下げていた感は否めない。

 

彼は人のいい兄ちゃんではあるものの、決して軍事的な才能に恵まれたわけではない。
ならばその知略の不足を補ってくれる登場人物が出てきてもよさそうなものだが、本作はあくまで「ハクを軍師に仕立て上げたい」らしい。(これは原作でもそうだったが)
ここが、この「偽りの仮面」の最大の失敗である。
ハクが目指すべきは諸葛孔明のような知略家の軍師ではなく、劉備のような度量の大きい君主であったはずだ。
その間違いに気付けず、方向修正できなかった歪みが、後半ではそこかしこに噴出している。

 

前作「うたわれるもの」との決定的な差は、ここにある。
終盤にファンタジー要素が強く、「大河ロマン」感が侵食されてしまうのはどちらも共通だが、それまで前作の主人公であるハクオロは、戦略・戦術でトゥスクルが大国に成長させた。
そんな、純然たる大河ロマンを感じさせる前作のようなエッセンスは、本作では垣間見ることができない。
前作を知る人間としては、残念だ。

 

中盤の時代劇要素まではそれなりに楽しめるが、終盤大河ロマンパートに差し掛かったあたりで、一気にげっそり感が加速してしまう。

 

ちなみに、突っ込みどころがそれなりにあるのは、原作でも同様だったのだが、アニメ版は

「原作の突っ込みどころはある程度つぶしたけど、それ以上に突っ込みどころつくっちゃいましたw」

な感じですww

 

ラストの演出は絶句…

そして、「なんとか完走しよう…」と半死半生で視聴を続けてきた……ギリギリのところで頑張ってきた視聴者を待ち構えるラストシーンは、はっきり言って微妙だ。

そして原作が面白かったので……と完走したファンたちを待つ現実は、悲劇的でもある。

 

どうしても最終話のイメージが悪い。

 

ゲーム版のエピソードが完璧だったとは言わないが、「何故市街戦?」「よくあんな帝都の近くから歩いて逃げれたね?」などの突っ込み要素を無視しても、ラストの魅せ方はやはり「改悪」だろう。

 

最後の「アンちゃん……」なシーンを「回想扱い」にするのは、ちょっと絶句でした……。

そしてオボロがこっそり出てるだけなのにも絶句でした……決め台詞が……。

 

ゲーム版にも前作アニメにも及ばないが・・・

これを見るよりは、やはりゲーム版をやったほうが良い。
そして前作「うたわれるもの」ほどではない(アニメは)というのもまた事実だ。

ただし、決してつまらないアニメではなく、元のストーリーを知らなければそれなりに楽しんで見れるアニメだ。

 

点数は低めだが、正直原作やってる人間としての意見はある。
単純に初めて見る人にとっては、もうちょっと高くてもいいのかもしれない……。

 

ちなみにこの作品最大の強みはOP。
2曲とも神曲だし。
駄作認定しても良かったのだが、OPが良すぎてとても駄作とは言えません(?)


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セトシン

セトシン

子育て中三十路副業ブロガー。「天地無用!」の砂沙美ちゃんに魅了され、アニメの世界にどっぷり浸る。 アニメはとにかくシナリオ重視。芯のあるアニメが大好き。泣きたいけど泣かせにかかる要素は大嫌い。とにかくハッピーエンドで泣かせて欲しい人。

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