個性的すぎるキャラによる傑作ギャグファンタジー! アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」 レビュー

      2016/11/14

この素晴らしい世界に祝福を! 第1巻 [Blu-ray]

放送時期 2016年1月~3月
原作 暁なつめ
公式HP http://konosuba.com/

不慮の事故で命を落としたひこもり高校生の佐藤和真は、天界で女神アクアに異世界への転移を持ちかけられる。

アクアは「異世界には望むものを1つだけ持っていける」と異世界転移の特典を持ち出しながら勧誘するが、アクアの和真をあまりに馬鹿にした態度に和真は激怒し、アクアを「異世界に持っていく”もの”」として指定する・・・

評価点数:86点 ★★★★☆ 良作

 

テンプレラノベアニメかと思われたが・・・

この物語の冒頭は引きこもりゲームオタクの主人公が女の子を助けようとして、道路に飛び出したところをトラックに轢かれ、死んだと思いきや、突如現れた目の前の美しい女神から異世界への転生を言い渡されるというシーンから始まる。

この冒頭だけでは何の面白みも新鮮味もない。

自分も視聴する前はこのあらすじを聞いて何も期待していなかった。

どーせ面白みのない無個性主人公が、美少女たちにチヤホヤされるだけだろうと思い込んでいた。

だが、このアニメは量産型テンプレラノベアニメではなく、傑出したファンタジーギャグアニメだったのだ。

このことは第一話からもひしひしと実感できる。

納得のいく丁寧なテンプレ描写

冒頭のラノベテンプレ的展開。

異世界に転生するという設定は本来なら期待感を大きく膨らませる設定ではあるが、最近では同じような設定のアニメが大量に存在するため、この設定だけで視聴者を引き付けるのは難しい。

むしろこの設定に飽き飽きをしている視聴者も多い。

この

まず第一に主人公が転生する理由や設定をしっかりと説明しているのが素晴らしい。

のちに伏線として回収するつもりなのか、はたまた描写する気が最初からないのかわからないが、何の説明もなしに異世界に転生してしまっているアニメが多いなか、はっきり説明してくれる今作品は非常にすっと物語に入ることができる。

理想的なテンポ

これは第一話だけでなく、全話に関していえることなのだが、テンポが非常に素晴らしい。

個人的にギャグアニメの肝はテンポだと思っているのだが、このアニメはまさにギャグアニメとして理想的なテンポだと思う。

先程述べた物語の導入部分のように、説明パートなどではストレスを感じさせないほどの遅さのテンポで丁寧に描写し、ギャグパートに入ると勢いのある素早いテンポに入る。

そしてギャグにオチがつくと、初代TFのようにアイキャッチが入り場面が切り替わり、物語は次の場面へと切り替わる。

緩急のついた素晴らしいテンポにより構成されている。

 

一話後半でグッと世界に引き込まれる。

第一話後半、主人公たちは異世界にたどり着き、冒険者としての登録を終え、壮大なBGMとともにいよいよ冒険が始まるといったシーンがある。

本来なら、この後には主人公たちが魔物と戦い成長しながら魔王城を目指していく過程が描かれるのだが、このアニメで描かれるのは最初の町で日雇い労働者として働く主人公たちの姿だ(笑)

昼は工事現場で肉体労働をし、疲れ切った体を銭湯の風呂と酒で癒し、貧相な馬小屋で藁の上にひいた布の上で眠る。

そしてまた翌日朝早くから働き始める。

そうして働くうちに、ほんの少しだけ生活に余裕が出てきて食事やお風呂が豪華になったり、ほかの労働者との宴会したりする。

完全にファンタジー要素は0なこの描写。

こうして書けばちょっとしたギャグシーンだが、自分はこの一話後半でガッツリ心をつかまれた。

なぜなら、この日雇い生活を送る主人公たちが本当に楽しそうで、主人公たちのいる世界がとてつもなく羨ましく思ったからだ。

日雇い労働しなきゃその日の飯も食えないという、現実的なつらさをしっかり描くことで、視聴者に現実感をある程度持たせつつ、そうした辛さの上でもなんだかんだ楽しそうに生きていく主人公たちを描く。

そしてこのワイワイと楽しそうな雰囲気は最後まで続いていく。

まさにタイトル通り、「素晴らしい世界」の魅力を登場人物を通して伝えている。

特別な演出や設定の描写ではなく、その世界に登場するキャラクター達を本当に活き活きと楽しそうに描くことで、その世界観に魅力を感じさせ、視聴者をアニメの世界に引き付ける。

「この世界に行きたい」と思ったアニメは本当に久しぶりで、このアニメの視聴中はとても心地よかった。

 

これでもかというくらい個性的なキャラによるギャグ

能力スペックは最強クラスなのに宴会芸しか覚えない浪費家の駄女神。

防御力は高いが攻撃が全く当たらず、おまけにドMな変態女騎士。

最強クラスの攻撃魔法、爆裂魔法「だけ」しか使えず、おまけに一発打つと動けなくなる魔法使い。

この三人が主人公の仲間であり、ヒロインたちだ。

このアニメのギャグは、ファンタジーのお約束なテンプレを、彼女らの個性でぶち壊しまくることで生じる。

彼女たちの独創的な個性をギャグの軸にすることに安定感を生み出しつつ、「このすば」らしさを作り出している。

残念ヒロインだけどかわいいヒロインたち

こんな残念さでギャグパートの中心を担うヒロインたちだが、ギャグキャラとして魅力的なだけではなく、きちんとヒロインとしての魅力も持っている。

その理由の一つが作画にある。

このアニメの作画は「ぬるぬる動く」というほどのレベルではないが、キャラクターの動作や表情を丁寧に細かく書き込んでいる。

リアクションを丁寧にそのキャラらしく、かつ可愛らしく描かれることで、残念ヒロインたちにも「萌え」ることができる。

さらにこのヒロインたちの魅力を底上げしているのがピッタリと役にはまった声優さんたちの演技だ。

各キャラぴったしの声優の熱演のおかげでギャグアニメとしてもキャラ萌えアニメとしても作品の魅力が大きくあがった。

そして、これはヒロインだけでなく、作品の全女キャラクターに対してでもなのだが、作画が非常にエロい。

といっても露骨なエロシーンがあるわけではない。

この作品にはフェチシズムを感じさせるような描写が多々あるのだ。

太もも、鎖骨、ややたれ気味のおっぱい、はいてない、etc...

露骨なエロシーンではない、けれども男の下心をくすぐるような絶妙な描写によって、安易なエロには頼らずとも作品に色気をもたらすことに成功している。

 

 ヒロインに負けていない主人公

ここまでヒロインが個性的だと、往々にして主人公は没個性で全く目立たずに終わってしまうのだが、この作品の主人公は全くそんなことはなく、ヒロインたちと同じくらいキャラが立っている。

まず、この主人公、色んな意味でゲスイ(笑)

主人公はいわゆる最弱キャラだ。

目立ったスキルや伝説の武器防具は持っておらず、能力値が平均より高いのは運だけ。

そんな最弱主人公だからこそ、クエストを達成するためならなんでもする。

自らの邪魔をするものは外道な手段で排除する。

仲間をおとりに使ったり、相手の最強武器を盗んで売り払ったりともはやなんでもありだ(笑)

ヒロインに対するツッコミキャラという役割だけでなく、自身もギャグキャラとして一線級だ。

さらに彼はラノベアニメにありがちな無欲系や、状況に流されてラッキースケベ系の主人公ではない。

むしろとことん貪欲で、サービスシーンではテンションがちあがるし、女の子のパンツを手に入れる機会があれば迷わず実行する。

まるで昭和のギャグアニメの主人公のような性欲への正直さだ。

だがやはりこういう作品のお約束通り、この主人公も苦労人だ。

周りのヒロインに振り回され、やっとの思いでクエストを達成したと思ったら、魔物を退治した余波で街を壊してしまって逆に借金が増えたり・・・

このように自身の欲望に正直で、少し卑怯な、人間らしい主人公が、苦労しながら一生懸命異世界で生活していくの見るうちに、どんどんヒロインだけでなく主人公のことも好きになっていくだろう。

 

ラブコメ要素少なめなのがグット

この作品でのラブコメ要素はほぼ皆無といっていいだろう。

一応主人公の周りに美少女が集まってくるが、主人公にほれているわけではなく、個性的すぎて全く他のパーティーから相手にされなかったからである。

いわゆる落ちこぼれなため、主人公のパーティーに入らざる得なかったというわけだ。

だから主人公の周りにヒロインたちがいる理由に納得ができる。

そしてこの作品はそこから主人公に惚れたりはしない。

主人公一行の冒険は、王子様とお姫様の優雅な旅、というより、仲の良い友達同士で全力でバカして騒ぐ珍道中だ。

メインヒロイン?のアクアだって、主人公と一緒に寝泊まりしているが、男と女というのを感じさせるイベントは全くなかった。

恋人を通りこしてこいつらもう夫婦だろ、と思ったくらいだ(笑)

このように全くラブコメ要素が感じさせないのは個人的に非常に良かった。

なぜなら主人公のカズマは確かに魅力的な人物だが、何人もの美少女が「惚れる」ほどカッコよいと思わなかったからだ。

あくまでこのアニメはギャグアニメ、そこから逸脱せず、ほかのラノベアニメのようにハーレム展開にしなかったのは非常に良い判断だっただろう。

 

非常に満足度の高いおすすめギャグアニメ

冒頭のあらすじから、若干テンプレラノベアニメ臭がしてしまうが、見始めれば非常に質が高いギャグアニメだ。

円盤の売り上げが好調で、2期が決定しているのもうなずける。

最後に私的な意見になってしまうが、世間のめぐみんの圧倒的人気が理解できないアクア様一筋のアクシズ教入信者としては、ぜひとも2期ではもっとカズマとアクア様とののんびり同棲生活の描写を増やしてほしいと切実に思っています。


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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