最高のリメイク、最高のSF! 「宇宙戦艦ヤマト2199」レビュー!!

      2016/08/30

宇宙戦艦ヤマト2199 全7巻セット [マーケットプレイス Blu-rayセット]

放送時期 2013年4月~9月(全26話)
(2012年より劇場先行公開)
原作 アニメ「宇宙戦艦ヤマト」
西崎義展
公式HP http://yamato2199.net/

西暦2199年。人類は絶望の淵に立たされていた。
外宇宙から襲来した謎の星間国家〈ガミラス〉による遊星爆弾により地球は壊滅的な被害を負い、人類滅亡 までの猶予はわずか一年…残された最後の希望。それは、人類初の恒星間航行が可能な宇宙戦艦〈ヤマト〉で、ガミラスの攻撃によって汚染された地球を浄化再生するシステム〈コスモリバースシステム〉を受け取りに行く〈ヤマト計画〉だった―――

評価得点:★★★★★ 90点(名作)

※ ネタバレを少し含みます。

 

新しい世代へ向けて……語り継がれる傑作!

まずはじめに、私は旧作「宇宙戦艦ヤマト」を見ていない。

いや、厳密に言えば総集編である劇場版では見たことがあるのだが、厳密に全話を視聴したわけではない。
なので、「見ていない」が「あらすじと雰囲気は知っている」、という表現が妥当だろう。
旧作ファンの視点から見た感想とは、大きくかけ離れる可能性があるのは、ご寛恕願いたい。

 

大人向け、現代向けにつくりなおした新ヤマト!

旧作とは、完全にベツモノであると考えるべきだろう。

まず対象年齢が違う。
子供が見て楽しめる娯楽作品であった旧作に対し、今作の作り方は完全に「大人のための人間ドラマ」だ。
内容は濃厚で見応え抜群だが、娯楽作品としての面影は薄い。
戦闘シーンの迫力は見事だが、そもそも戦闘シーンさえない話も多くあるのだから、当然だろう。

 

だが、出来映えは圧巻だ。

 

とにかく序盤から、息もつかせぬほどに面白い。

恐らく多くの人は、名曲「宇宙戦艦ヤマト」が、圧巻のコンテで描かれたオープニングムービーとともに響き渡った瞬間、このアニメの完成度を強く確信することになるだろう。
キャラクターデザインは、何十年も前のアニメのものを見事にリファインしているし、ヤマトという機動兵器の美しさも、重厚に練り上げられたストーリーも、すべての完成度が抜群に高い。

 

キャラクターの作りは現代的。魅力も現代のそれに…

特に女性キャラクターの増加や、主人公である古代の性格の変更などが批判されることもあるようだが……。

キャラクターデザインはより近代化され、女性キャラクターは確かに「萌え」にも似た要素を持つようになったが、素直に森雪は可愛いと思うし、他の女性キャラクターの配置も絶妙である。
元々旧作では「森雪」がスーパーガール過ぎたのだ(笑)
今作において、正当な男女比率に見直されたと考えた方がしっくりくる。

女性キャラクターは増えたといっても、数は少ない。
それでも、その大半が決定的な役割を持っているし、劇中での活躍も少なくない。
主要戦闘部署に配備されたのは山本ぐらいなもので、それ以外は男中心の世界だ。
(また、この山本の使い方が素晴らしいと思う)

なので、むしろ「女多いのかよ萌えアニメかよ」という嫌悪感をもってしまうとしたら、それは昨今のアニメ萌え化現象に辟易した記憶がもたらすトラウマである(笑)
冷静に見れば、旧作より合理的な配置になっていることがわかるはずだ。

ユリアのラジオだけは、ちょっと特殊だがw

 

また、古代を中心にしたキャラクターの性格の最適化も、抜群の効果を読んでいる。

特にヤマト内部での人間模様が複雑化しているので、旧作より古代に「人間味」が与えられるのは、妥当な流れだといえる。

 

ヤマト無双との向き合い方

本作において、ヤマトはやはりべらぼうに強い。

圧倒的な火力。
桁違いな耐久性。
異次元の運動性。

そのすべてにおいて「波動エンジン」という理論の裏付けがあるとはいえ、やはりこのヤマトの強さは異端だ。

強いヤマトはカッコいい。
ビーム砲を発射する効果音だけで総毛立つほどカッコいい。それは間違いない。
だが、この主人公艦の圧倒的な戦力は、本作における最大の魅力であると同時に、物語における最大の癌だろう。
ドメル艦隊との戦いが始まったあたりから、この違和感は徐々に大きくなってしまう。

 

無能な将軍や手薄な戦力を相手にしているだけなら…

沖田提督の手腕が冴えに冴えているのはわかるし、ヤマトに搭載された波動エンジンが半端ないのもわかる。

だが、えてして人は「圧倒的な性能を誇る兵器」よりも「努力と結束で困難に立ち向かう人間」にシンパシーを感じてしまうものである。
特に年齢を重ねた大人であればあるほど、この傾向は強い。
本作が元々の子供向けアニメであった頃は「ヤマトが強くてカッコいい」で済んでいた問題が、対象年齢層を大人に変更することで顕在化してしまったと言えるだろう。

 

木星駐留軍を相手にしているだけなら話はわかる。

相手は無能ではないが、戦力規模はそれほどのレベルではない。
地球艦隊が実質的に壊滅した今となっては、彼らの役目は地球の監視と流星爆弾による攻撃が主なのだから、それは仕方が無い。

 

相手がゲール提督なら、話はわかる。

沖田とゲールでは戦略的にも戦術的にも将としての格が違う。
いかに大艦隊を誇っても、運用の集中とその細密な制御を術として知らなければ、ヤマトに翻弄されるのは自明の理だ。

 

だが、ドメルが出てきてからは、状況が一変する。

 

割り切り故に…? 圧倒的な描写のドメルは本作の神髄

ドメルの存在は、ヤマトにとってまさに宿敵であった。

……これは物語上だけでなく、演出、つまり作品の魅せ方としても同様である。
ガミラス帝国の敵国人であるが、ドメルの描写は「近代ストーリーテリングのすべてを盛り込んでカッコ良く仕上げました」という次元にある。
部下から慕われる人望、人種差別なく公平な明晰さ、快活にして剛胆な偉容……声優である大塚明夫のハンパない演技も含めて、ドメルの魅力を語り尽くせば切りが無い。
(旧作ではここまでではなかったらしいが…)

何よりドメルこそ、「努力と結束で困難に立ち向かう人間」の姿なのだ。
そしてこの場合、「困難」とは他でもない、ヤマトである。

 

これは想像になるが、ヤマト2199の制作陣は、完全にこのドメルの扱いを「割り切った」のだろう。

元々旧作ヤマトにおいても魅力的だったドメルを、敢えてこの完璧超人に仕立て上げた。
それはあくまでも物語全体として見たときに、最高の魅せ方ができるのはこの方法しかないという確信があったに違いない。

 

沖田戦法によって、艦隊が単艦でズタズタにされるのは、ヤマト補正ということで仕方が無い。

ドメルがどんなに熟達した戦術家であっても、ヤマトは絶対に買ってしまうのだ。

……とすれば、ヤマト側からドメルを見るのではなく、ドメル側から宿敵としてヤマトを見てしまった方が、物語としては潔い。

 

故に、2199はドメルを徹底して描いた。

 

彼は沖田に勝るとも劣らぬ声望と能力を持ち、圧倒的な手腕でヤマトを撃破寸前まで追い詰めた。
しかしこれは、味方の政治ショーに足を引っ張られて、本当に寸前のところで失敗してしまう。

反撃の機会は、七色星団。
しかし彼の元に艦隊は残っておらず、残存兵力の中でも主力と目される部隊は、政治的理由により与えられなかった。
圧倒的な劣勢の中、寄せ集めの急増艦隊で、ヤマトに最後の決戦を挑むドメル。

 

……間違いなく、七色星団での決戦は本作における最大の見せ場であろう。

同時に、ガミラス帝国の軍歌が雄々しく夜空に木霊する様は、この「新しいヤマト」の神髄が濃縮されたワンシーンである。

 

 

ヤマトは強すぎる。

だからこそ、それに立ち向かうドメルの姿を徹底して描くことで、本作は「ヤマト無双」という縛りに挑んでいるのであろう。

 

世代は語り継ぐ…

本作が世に出るまで、「宇宙戦艦ヤマト」の名前は消えかかっていたと言って良い。
そんな不朽の名作を再び現代に蘇らせた本作への評価は、紛れもない名作であると言うことができる。

 

本作が、時間を超え世代を超えて「ヤマト」を我々に届けてくれたように。

また我々も、この名作を世代を超えて語り継いでいきたいものである。
でも、次の世代は中学生くらいにならないと、本作を楽しめない点には注意だ(笑)

 

 


【PR】「円盤はお布施、実用は動画サイト」のすゝめ

アニメを一気見するとき、ひと昔前ではレンタルDVDが当たり前でした。
しかし、それも過去の話。
金額や効率を考えれば、「アニメ見放題動画サービス」の使い勝手が抜群です!

ということで、PR記事!
アニメ見放題サービスの特徴と、多数のサービスの中から「アニメを見る」ことに特化したお勧めをピックアップしてみました。
是非見てみて下さい!

アニメ見放題サービス徹底比較!「円盤はお布施、実用は動画サイト」のすゝめ


本記事が気に入ったら
イイネ!! をお願いします!

Twitter で
The following two tabs change content below.
セトシン

セトシン

子育て中三十路副業ブロガー。「天地無用!」の砂沙美ちゃんに魅了され、アニメの世界にどっぷり浸る。 アニメはとにかくシナリオ重視。芯のあるアニメが大好き。泣きたいけど泣かせにかかる要素は大嫌い。とにかくハッピーエンドで泣かせて欲しい人。

 - SF, アニメレビュー , , , , ,