もっと見たいと思える王道SFアニメ 「Dimension W」 レビュー

      2016/11/19

Dimension W (特装限定版) 1 [Blu-ray]

放送時期 2016年1月~3月
原作 岩原祐二
公式HP http://dimension-w.net/

あらすじ:
西暦2072年。新たな次元「W」から「コイル」により無限のエネルギーを取り出せるようになった人類は繁栄の極致にあった。
違法である不正コイルを回収し、賞金を獲得する腕利きの回収屋”マブチ・キョーマ”は、ある依頼で謎の少女”ミラ”と出会う。
過去を全てコイルで失ったキョーマと、自分の出生の秘密を探るミラは、共に回収屋としてコイルの真実を追うことになるが...

評価点数:70点 ★★★☆☆(良作)

※ネタバレを含みません

クオリティの高い王道SFアニメ

この作品は「次元W」という新たな次元から「コイル」という新たな機械により、人類が無限のエネルギーを得られるようになった世界が舞台だ。

この設定だけだとバリバリのSFものだが、展開はどこか懐かしさを感じる王道である。
そしてその王道展開を支えるのは、高クオリティなキャラデザ、作画によって描かれる魅力的なキャラクターたちだ。
SF的設定をスパイスにしながら王道な物語をまっすぐ描ききった作品といえるだろう。

 

魅力的なヒロイン、主人公による「バディ物」

この作品をSFという言葉を使わずに説明するなら、「バディ物」という言葉がぴったりだろう。

主人公、マブチ・キョーマは皆が日常的に使っている「コイル」が大嫌いで、骨董品のガソリン車に乗り、銃すら使わない、俗にいう機会嫌いな男である。
これに対し、ヒロインのミラは「ロボット」である。
しかも主人公が嫌うコイルの技術を使った最新式ロボットだ。
この二人が「回収屋」として不正コイルを回収していく、というのがストーリの基本となる。

当然、最初は主人公はヒロインのことを激しく嫌い、「ポンコツ」呼ばわりだ。
一見チームワークも糞もない二人だが、事件が起きると互いが互いの長所を活かし、見事な連携を取って解決する。
キョウマ長年の経験と人間らしい勘で、ミラはロボットだからできる高度な情報処理や追跡で、犯人を追い詰めていく。
こうして二人で協力して事件を解決していくたびに二人の間に信頼関係が生まれていく。
まさに「バディ物」であり、この二人のコンビは非常に魅力的で、作品の中核を担っていたといっても過言ではない。

上質な作画でキャラの魅力がアップ

このアニメのキャラデザ、作画は素晴らしい出来だ。
特にヒロインのミラは作画によって可愛さが格段に上昇している。
ピコピコと動くネコ耳のようなセンサーや、ゆらゆらと揺れるしっぽのようなプラグ。
これらによって描かれる小動物的な可愛さはたまらない。
本来ならこうした動作はあざとく感じてしまうのだが、動きや動きの入れ方がとても自然なので、そう感じることはない。
あざとさを感じさせずに見事にロボット娘の魅力を描き切った素晴らしい作画陣だった。

また、戦闘シーンもスタイリッシュで非常に出来が良い。
ただぬるぬる動くというわけではなく、アニメーションとして非常に面白く、魅力的な動きだった。
さらに、戦い方にキャラクターの個性がしっかりとでており、戦闘シーンで飽きるということはほとんどないだろう。

ボスキャラの魅力のなさが惜しい・・・

この話のクライマックスとして登場する敵キャラだけが、このアニメにしては珍しく全く魅力を感じなかった。
原作はまだ続いているので、ラスボスではなく中ボスとしてある程度残念キャラになるのはわかるが、悪役としての魅力がほとんど感じられんない。
声優の演技は良いが、キャラが本当にテンプレなマッドサイエンティストという感じで、個性のなさがどうしても隠し切れていなかった。

個人的に思っていた「アニメのマッドサイエンティスト系のボスは残念な法則」はやはり真実なのではと思ってしまう残念さでした・・・

 

安心感のある王道展開

小難しいSF設定があるものの、話の展開は少年漫画のような王道展開だ。
言葉ではヒロインをポンコツ呼ばわりしている主人公でも、要所要所ではヒロインを救い、キッチリと「主人公らしさ」を見せつける。
ヒロインもただ可愛いだけではなく、主人公が迷い、くじけそうになった時はキッチリと主人公を支え、あるべき道を示す。
王道らしく主人公とヒロインの役割をきちんと果たしてくれ、安心感を持って見られる王道展開をしっかりと描いている。

若干SF設定がわかりづらいか

基本的な話の軸はシンプルな王道なのだが、コイル関連のSF設定が若干複雑だ。
何度か、「はい?」と思ってしまうような設定もあり、個人的には引っかかるところだった。
このやや複雑な設定は理解が難しいというほどではないが、話がシンプルなだけに煩わしく感じしてしまう人がいるだろう。

特に終盤はSF感も増してきて、用語なども増え、わかりづらさが増してくるので、普段SFを見ないという人にはちょっとしんどいかもしれない。

1クールなのが本当に残念

ここまで書けば名作のように思えるが、残念ながらこのアニメはその域まで達することができていなかったと思う。
その最大の理由が1クールしかなかったことだろう。

原作を読んでいないので正確にはわからないが、自分の印象としては何とか1クールに収めようと必要最低限の話をアニメ化した、という印象を受けた。
詰め込みすぎという印象をうけたわけではなく、基本的に全体の構成の出来はよく、違和感なくキッチリとストーリーを描ききっている。
そこは素晴らしいのだが、必要最低限の骨格だけで、肉付けがないといった印象か。

前述したようにこのアニメのキャラクターは本当に魅力的だ。メインだけでなく、脇役やライバルキャラもしっかりとキャラが立っており、もっとこのキャラクターたちが動くところを見たいと思わせる。
しかし、必要最低限の登場しかしないため、キャラクターを好きにはなれない。
序盤ででてくる主人公のライバル的な仮面キャラもかっこいいのだが、主人公と対決する機会が少ないため、はっきりとしたライバルという印象を受けない。
中盤で主人公と出会うルワイという少年も、彼と主人公とのやり取りをもっと多くの尺を使ってくれればもっと好きになれただろう。
終盤では主人公と同業の回収屋たちがたくさんでてくるのだが、こいつらもまた全員キャラが立っており、ほとんど活躍せずに終わってしまうのが残念なキャラたちだった。
このようにもっと出番を、エピソードを...と思うキャラが沢山存在した。

2クールあれば主人公たちが回収屋としてコイルを回収する中でこれらのキャラと多くかかわることができ、よりキャラを掘り下げられ、作品の魅力がグンッとあがったことだろう。
クライマックスの盛り上がりも段違いだったはずだ。
他が良かっただけに非常にこの点が残念だった。

 

名作ではないが、良作ではあると思う

前述した肉付けのなさで、名作にはなりえなかったものの、見れば面白い王道SFアニメとしてお勧めはできる。
良質な作画、かっこいい男キャラ、あざとすぎず可愛いヒロイン、魅力的なサブキャラクター、王道展開。
自分の好きな要素を多く詰め込んだアニメだっただけに、本当に2クールほしかった。

原作がまだ続いているので、アニメの方もまだ謎は多く残っており、2期を期待したいのだが、円盤の売り上げがあまりよくなく、原作のストックもギリギリらしいので2期が厳しそうなのが残念だ。


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ビッテンk

ビッテンk

熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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