「容赦なし」なアニメ 「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」 レビュー

      2016/11/11

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 第1巻 [Blu-ray]

 放送時期  2014年10月~2015年3月
原作 なし
 公式HP http://crossange.com/

「マナ」と呼ばれる物質が存在する世界。万能なマナによって技術は発達し、戦争や天災などの問題もなくなり、人々は平和な暮らしを送っていた。
その一方で、マナを扱えない「ノーマ」と呼ばれる者たちがおり、彼らはマナによって成り立つ社会に反する存在として、マナを扱える「普通」の人間から虐げられ、差別されていた。

そんな世界の大国・ミスルギ皇国皇女のアンジュリーゼは、16歳になり洗礼の儀を受けた時に、ノーマであると公の前で暴露されてしまう。
自分自身が今まで忌み嫌っていたノーマであることに困惑するアンジュリーゼは、一瞬にして人々の嫌悪と蔑視の対象となった。拘束されたアンジュリーゼは軍事基地「アルゼナル」へ送られ、身分も名も奪われて「アンジュ」という名の一兵士となり、異世界から来る人類の敵・ドラゴンとの戦いに身を投じさせられていくことになる…

評価点数:80点 ★★★★☆ (良作)


※ネタバレはありません

 

「容赦のなし」なキャラ付け、展開

水樹奈々演じる主人公が第1話からお尻の穴を開発されるという衝撃の展開を見せたことで部分的に話題になったこのアニメ。

この文面からわかるとおり、このアニメ、いろんな意味で「汚い」(笑)
「汚い」と言っても下ネタ的な意味だけではなく、ゲスな展開、生々しい同性愛描写など、そういったいろんな意味での「汚さ」がこのアニメにはある。

しかし、この「汚さ」がこのアニメの大きな特色であり、また魅力の一つでもある。
人を選ぶだろうが、ハマる人には絶対な受けポイントとなる「汚さ」なのだ。

この「汚い」と感じる原因は、「容赦のなさ」を感じる展開、キャラ付けである。

序盤から凄まじい展開

この「容赦のなさ」は物語の序盤ではっきりと感じることができるだろう。
「マナ」と呼ばれる魔法が使えるのが当たり前で、魔法の使えない人間が「ノーマ」という害悪な人種として差別されている国の姫として生きていた主人公アンジュ。
しかし、彼女が実はノーマであることが発覚し、ノーマの強制収容所である軍事基地に送られてしまう。

このノーマの強制収容所では、ロボに乗ってドラゴンと戦い、その戦果によって報酬を得て、生活していくという『エリア88』のような殺伐とした雰囲気の軍事基地だ。
そこに今まで「お姫様」として育てられた人物がぶちこまれるのである。
それはもう、悲惨なことになるのは想像できるだろう。

基本的に基地にいるのはレズビアン、戦闘狂、陰湿ないじめっ子等々、問題児ばかりだ。
そうした人物たちに主人公が虐げられる様子が1,2話かけてじっくり描かれる。
この時点でこのアニメの「容赦のなさ」は感じられるだろう。

更に、戦闘シーンに入っていくと更に容赦のない展開が続く。
「そんなに早く殺しちゃうの!?」というような展開。
ただ登場人物を殺すだけではなく、主人公をとことん追い詰める殺し方。
「容赦のなさ」は更にヒートアップしていく。

極端で巧妙なキャラ付け

この外道とも思えるような展開を可能にするのは、容赦のないキャラ付けである。
ゲスなキャラはとことんゲスに、レズなキャラはとことんレズに、躊躇なくキャラ付けされる。
そのため、どのキャラも全くブレることがない。
この「ブレない」キャラ付けは非常に好感が持てる。

普通ならばストレスやヘイトを感じそうなキャラでも、徹底的に嫌なキャラとして描かれているため、むしろお笑いの要素になってしまうくらいである。
また、多くのゲスキャラの中で、「本当に良い子」が何人か置かれることで、こうしたキャラへの好感度が凄まじく上がる。

このゲスキャラ、善人キャラの配置は非常に巧妙であった。
だから、「容赦ねぇ~」と思いつつ、作品に嫌悪感を抱いたりすることはない。
むしろこの容赦のない世界で、自己の主義、生き様を貫き通そうとする各々のキャラの魅力を大きく感じられる構成となっている。

魅力的な「スケバン」系主人公

特濃なキャラの中で、一際目立つのが主人公であるアンジュだ。

とにかくこの主人公は強い。
戦闘的な意味だけでの強さではなく、精神的な強さを含めて、本当に強い。

どんなに追い詰められようと、決して心が折れることはなく、己の力で敵を打ち砕く.
平和や非殺人なんて綺麗事は言わず、自分が生き残るためならなんでも、正に「容赦なく」行う。

だからと言って全く感情がないわけではなく、仲間たちと長く戦っていくうちに芽生える友情や、忠義、愛情といったものも持ち、他人のために行動することもある。

このように見ていて非常に気持ちのよい主人公である。
まちがいなくアウトローではあるがしっかりとした青臭くない信念を持っており、情にも厚い。
乱暴な言葉使いも相まって、一昔前のスケバン(死語)のような主人公だった。

ただ、一つ欠点をあげるとすれば、アンジュが「お姫様」の状態から「スケバン」のようなアウトロー系主人公になる展開が少し早すぎたように感じられたことか。
一応、「お姫様」なアンジュが徹底的にイジメられる描写はあるものの、「お姫様」からの変化に戸惑うシーンがもう少しだけあればこの作品に深みが与えられたのではと感じてしまった。

ただし、序盤にその下りを長くやりすぎるとダレる可能性がある、その後の展開の多さを考えるとそこに尺を割きすぎるわけにはいかない等の理由で省略せざる得なかったのかもしれないが…

 

予測出来ない展開、引きの上手さ

このアニメの素晴らしいところの一つとして、全く予想できない展開をしてくるところである。
先述した容赦のなさもそう感じさせる要因の一つだが、単純に脚本・構成の出来が素晴らしい。

幾つもの勢力が対立したり和睦したりしていく展開を、視聴者を混乱させることなく世界観の説明をしながら描写しきる脚本力。
毎話必ず見せ場、大きな展開を設け、そして視聴者を驚愕させ次話へと引きつける終わらせ方。
さすがのサンライズであり、ガンダムSEEDという大ヒット作を生み出した福田監督がプロデュースしているだけはあると感じさせる出来だ。

そして何よりも、予想外の展開の連続でありながらも、キチンと王道は外さないところがこのアニメの素晴らしいところである。
どのような展開になろうとも、根幹にあるのは王道少年漫画のような友情・愛情・勝利であるということを感じさせてくれる展開になっているはずだ。

見始めると止まらない、というあの幸せな感覚を久しぶりに味わせてくれるアニメであった。

 

圧倒的な「濃さ」を持った良作

この作品の注意点としては、良くも悪くも「濃すぎる」という点だろう。

ガチレズシーン、血なまぐさい展開、暴力的な主人公(それが最高なのだが)など、人を選んでしまう要素があることはある。

しかし、実際に見れば、そんなに嫌悪感は感じないはずだ。
最初に述べた通りに容赦の無さが一種のギャグのように感じられるときもあり、激しい展開・シーンも笑って見れるような雰囲気にはなっていると思われる。

是非とも食わず嫌いせずに、多くの人に見てほしい良作であった。


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ビッテンk

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熱いアニメが大好きな暇人。小池和夫じゃないけど、キャラクターを重視してアニメを見ることが多い。好きなキャラができれば多少の粗は見逃してしまう。飽きっぽいので途中で切ってしまうアニメが多いのが欠点。

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